神々の塔
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第八十六話 たらし達その七
「起きた世界ではな」
「皆使ってへんな」
「性別問わずな」
男女共にというのだ。
「そやけどな」
「それでもな」
「そや」
それでもというのだ。
「国民の人等にはな」
「ゴムも使ってもらう」
「それとな」
芥川はさらに話した。
「何でもコーランではそうしたことしたら身体清めるな」
「そや」
シェリルが答えた。
「そう書いてる」
「そやな」
「それはどうしてかやな」
「イスラムの教えは常に合理的な根拠がある」
イスラム教が発祥された頃では最新の科学や医学の知識が入れられているのだ、そしてそれは生活習慣でも同じだ。
「それでそうしたことしたら身体を清めるのは」
「性病にならん様にやな」
「そやろな」
「実は性病は古来からあった」
シェリルはこのことを指摘した。
「梅毒はコロンブスさん以降らしいが」
「それまでなかったな」
「しかし淋病はな」
梅毒と並んで多いこの性病はというのだ。
「聖書でもや」
「書かれてるな」
「それだけ古くからあってな」
「やばかったな」
「その淋病、性病にならん様には」
「清潔にやな」
「入浴がええ」
「そやな」
「それでやな」
「ああ、入浴もな」
即ち清潔にすることもというのだ。
「梅毒にはな」
「大事やな」
「性病全体にな、そうしたことをな」
「国民の人等に教えることもな」
「政や、まず梅毒にはならん」
ペニシリンがあろうともというのだ。
「そら術でも治るが」
「それでもな」
「一旦感染すると厄介やからな」
「最初からならん」
「それが一番や」
何といってもというのだ。
「ほんまな」
「梅毒の人多いと」
綾乃も言った。
「ほんまそれだけで国力落ちるしね」
「軍隊に蔓延したらな」
芥川はその場合の事態も話した。
「戦えん様にもなる」
「実際そうしたお話もあるし」
「そや、遊びもええが」
それでもというのだ。
「ほんま梅毒はな」
「気を付けることやね」
「伊藤さんはどうもその辺りもしっかりしてた」
当時からけた外れの女好きとしても有名であったがだ。
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