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星河の覇皇

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第八十七部第三章 港の整備その四十九

「幾ら才能があってもな」
「身を滅ぼした人は多いですね」
「我が国の国王であられたヘンリー八世だが」
 テューダー朝の頃の国王である、この時代も続くイギリス国教会の創始者として歴史的にも有名な人物である。
「あまりにもだ」
「ああ、あの王ですね」
「そうだ、女性がな」
「非常にお好きで」
「その為にだ」
 ギルフォードはカミュに話した。
「今の話の通りにだ」
「リスクを背負ってしまいましたね」
「性病に感染された」
「梅毒に」
「そして非常に苦しんだ」
「あれですね、ロンドン塔では」
「かつての王妃の方の亡霊も出るがな」
 アン=ブーリンのことである、二人目の王妃で男子を産まなくしかも飽きられたので無理矢理処刑されている。
「あの方の亡霊も出られるというが」
「そのお姿は」
「梅毒の為にだ」
 まさにその病気のせいでというのだ。
「随分とな」
「崩れているそうですね」
「そう言われている、そして今もな」
「その梅毒がですね」
「増えるかもしれないという」
「医学会からの警告が出ていますね」
「完治するからといって安心してはならない」
 ギルフォードは強い声で言った。
「放置出来ない病気だ」
「だからですね」
「検査をこれまで以上に広範囲に厳しく行ってな」
 そうしてというのだ。
「これはエイズや淋病も同じでだ」
「性病のチェックはですね」
「十代に対しても行い」
 そしてというのだ。
「陽性の者はだ」
「即座にですね」
「治療を受けさせる」
「そうして拡大を防ぎますね」
「梅毒はすぐに拡大する」
「そうした感染症ですね」
「特に人口増加政策を行うとな」
 そうであるならというのだ。
「尚更だ」
「そうなりますね」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「そこは厳密にだ」
「行っていき」
「これからも気をつけていく」
「そうしますね」
「そうだ、梅毒は放置出来ない」
 決してというのだ。
「死にも至るしな」
「今話している通りに」
 カミュも述べた。
「全くですね、では首相府としても」
「行っていくな」
「その政策を」
「頼む、しかしだ」
「しかし、ですか」
「人口増加はいいが」
 それでもというのだ。 
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