ハッピークローバー
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第百四十六話 文化祭の準備その三
「お母さんよ」
「えっ、けれど」
かな恵は留奈の言葉に驚いた顔になって返した、それは幾ら何でもという感じでこう言うのだった。
「私まだ高校一年で」
「結婚もしてないし」
「それに手をつなぐ位で」
「鳴海っちとね」
「お母さんなんて」
「いや、よく言われるでしょ」
留奈は驚いた顔のかな恵にあっさりとした口調で言った。
「そのことは」
「そう言われるとね」
「だったら驚くことないでしょ」
「ついついね、今はね」
「驚いたの」
「お母さんと同じと思って」
「そうなのね」
「私おばさん臭いとか」
眉を曇らせて言った。
「まさか」
「いや、別にね」
かな恵に笑って返した。
「おばさん臭くないから」
「そうなの」
「しっかりしてるから」
だからだというのだ。
「お母さんって言ったのよ」
「そうなのね」
「おばさんっていうのはね」
それはというと。
「所帯じみてるとか変に世間ずれしてるとか」
「そうした風で」
「お母さんはね」
「しっかりしてるっていうのね」
「そうでしょ」
こう言うのだった。
「それは」
「そうなのね」
「それでね」
「私はお母さんタイプだから」
「おばさんじゃなくてね」
「いいのね」
「おばさんって言ったら」
留奈はそう言われる人達の話もした。
「大阪に幾らでもね」
「いるわね」
「そうでしょ」
「大阪っておばさんの街だしね」
かな恵も言った、
「パーマで豹柄の服の」
「スパッツでね」
「何処で売ってるか知らないけれど」
大阪名物と言っていい豹柄の服はというのだ。
「ああいうファッションで」
「頭はパーマね」
「厚化粧もして」
「そうした人が大阪のおばさんで」
「大阪はそのおばさんが支配する街でね」
「よく見るわね」
「それでね」
留奈はさらに話した。
「さっきお話したけれど」
「所帯じみてて世間ずれしてるのね」
「それで噂話が好きなのよ」
「それがおばさんで」
「大阪のね」
「私は違うのね、ただお母さんは」
留奈の言うことを思って言った。
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