リップクリームは
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第二章
「喜代原一弘ね」
「ああ、あいつね」
「そう、あいつそんなこと言うのよ」
「あいつは脳筋だからね」
「昭和で止まってね」
「平成生まれでもね」
「馬鹿だから」
真理子はこうまで言った。
「それでよ」
「そんなこと言うのね」
「けれどね」
「そんなことしてもね」
「唇が荒れて」
「割れてね」
「痛い思いするだけだから」
実に嫌そうに話した。
「私達はあんな馬鹿の言うこと気にしないで」
「リップクリーム付ければいいわね」
「冬はね」
二人で話してリップクリームを付けた、そうして唇の乾燥に対していた。だが喜代原はどうかというと。
冬でもリップクリームを付けずそれでだった。
「ああ、割れて」
「それが傷になってね」
一緒に食堂できつねうどんを食べつつだ、真理子はハイカラうどんを食べている日和に対して話した。
「そこからばい菌入って」
「今あいつ学校休んでるけれど」
「唇腫れて大変みたいよ」
「そうなのね」
「そう、あいつ何でもね」
真理子はさらに話した。
「不潔でお風呂滅多に入らなくて」
そうであってというのだ。
「歯磨きも週に一回だけらしいから」
「うわ、最悪」
「それでお口の中も不潔で」
「ばい菌だらけで」
「それでね」
そうであってというのだ。
「唇の傷から入って」
「腫れて大変なのね」
「そうなのよ」
「ざま見ろね、まあそれは極端なお話だけれど」
「リップクリームはね」
これはというのだ。
「塗らないとね」
「冬はね」
「その方がいいわ」
こう話してだ、二人は昼食を食べた。その後で。
「よし、こうしてね」
「リップクリーム塗ったからね」
「問題なしよ」
「唇荒れないわ」
共にリップクリームを塗った、そのうえで午後の生活に入った。唇は荒れずその分快適に過ごせた。
リップクリームは 完
2024・10・18
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