魔法少女リリカルなのは〜転生者の誓い〜
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第六話・発揮する転生者
あの後、ユーノから説明を受けて
俺の原作知識と違いがある事が分かった。
「襲われた?」
「…はい」
原作ではジュエルシードが散らばった理由は時空航行艦の事故だった
しかし
「どんな奴に?」
「黒いマントを羽織った女の子でした」
どうやらこの世界では黒いマントの女の子に襲われて事故が起こったらしい。
「その女の子の行方は?」
「分かりません、そもそも生きているかさえ…」
「そうか…」
ユーノが僅かに顔を伏せる。
襲われた側だから怒ったりするのが普通の反応なのだが、
どうやらユーノは相手の襲撃者の事も気にかけているようだ。
(優しい奴だな)
口には出さないが俺はユーノの評価をあげる。
「それで、ここからが本題なんだが…」
「はい、何でしょうか?」
謎の襲撃者の事など気になることはまだ多いが
とりあえず、現状で一番気にしている事をユーノに聞いた。
「俺もなにか手伝える事は無いか?」
これだ
「あ、その……ものすごく危険なんですよ?」
「どれくらいだ?」
「おそらく、一般人のみずなさんの手には負えないくらいに…」
予想通りの答えだ。
普通に考えれば、魔法も使えない一般人である俺に手伝える事などない、
だが、しかし
それはあくまで俺が一般人レベルの能力しかない場合だ。
「よし、分かった」
「良かった、みずなさんが物分かりが良い方で…」
「試合をしよう!」
「え!?」
「なのは、試合するぞ」
「ふぇ?わ、私!?」
二人とも驚いているが俺の実力を示すにはこれしか無い。
話しても信じてもらえないだろうしな。
「お、お兄ちゃん、私、魔法使いさんなんだよ?」
「おう、魔法使いでも魔王でも何でも来い!!」
俺の自信に不思議そうに顔を見合わせるなのは達。
「分かりました、試合をしましょう、良いね?なのは」
「う、うん…ユーノ君がそう言うなら…」
ユーノが提案を受けてくれたみたいだが、恐らくはなのはに叩きのめされれば諦めるとでも思っているのだろう。
「じゃ、場所はどこが最適なんだ?」
「そうですね、広い場所が良いですが…」
「あ、じゃあユーノ君、いつも私が練習してる所とかどうかな?」
「そうだね、みずなさんも良いですか?」
「ああ、別にかまわないけど…」
話はあっという間にまとまり試合をする流れとなった。
ただ、
「でも、お兄ちゃん。体は大丈夫なの?」
・・・・・・まずい忘れていた。
体中を激痛が走った
「ッ!?」
「お、お兄ちゃん!?」
「みずなさん!?」
どうやら試合はしばらくお預けになりそうだ。
とりあえず今は体を癒す事に集中するべきだと結論づける。
「すまん、ここまで言っておいて悪いんだが、試合は日を改めてってことで…」
「うん!わ、分かったの」
「そんな事より、みずなさん早く休まなきゃ!」
「言われなくて、めちゃくちゃ痛いから休むよ…」
そう言って俺は迷わず自分の部屋へと向かい
倒れるように布団へと転がり込んだ。
それから二日後、約束通り俺はなのはと試合をする事になった。
いつもなのはが魔法の練習をしていると言う丘の上の広場へとやって来た。
「さて、…手加減しないからな」
「う、うん」
なのはが凄く難しい顔をしているが、原作に介入するには俺が役立つ事を証明しなければ行けない。
なにより、無意識下とはいえこうなる事を望んでいたのだ
その準備は出来ている。
「それじゃあ、なのは、みずなさん」
ユーノが俺達二人に最後の確認をしてくる。
もちろん答えはイエスだ。
「…うん!」
どうやらなのはの気持ちの整理が着いたようだ。
それを確認しユーノを見つめる。
ユーノは俺と同じ事を思っていたのか深くうなずき
大きく息を吸った
そして
「始め!!」
試合開始の合図が高らかに宣言される。
「ごめんなさい!!」
なのはがそう言うと共にピンクの球体が俺に向けて放たれた
中々の速さである。
一般人ならそれを確認する事も難しいくらいには、
だがしかし
「謝る必要は無いぞ、っと」
俺はそれを少し体を反らすだけで避ける。
「避けた!?」
「うそ!?」
なのはもユーノも驚いているがこの程度で驚いてもらっては困る
「というか、俺の方がなのはに謝る側だ」
そして俺は今日の試合に際して持って来ていた得物を構える。
それは小さな二つの木刀。
使う技はもちろん、
「なのは!!」
「ふぇ!?」
ユーノが俺が木刀を構えた事に気付くがもう遅い
視界に映る景色が一瞬、白と黒で構成されたモノクロの世界へと変わる。
「にゃ!?」
なのははまだ驚いているが既に俺はなのはの後ろへと通り抜けた後だ。
御神流奥義の一つである歩方、神速
それが今使った技の名前である。
「ふぇ?ふぇええ!?」
さっきからなのはが「ふぇ!?」しか言ってない気がするが
その体は現在、尻餅をついて地面に座り込んでいる。
「なのはが負けるなんて…」
目に見えて困惑しているユーノ。
なのはが負けるなど思いもしなかったのだろう
それはそうだ、魔法使いが一般人に負けるはずが無い
特になのはに関しては天才と言えるほどの実力があるのだ。
しかし、それは相手が一般人だった場合のみだ
そう、俺はなのはの兄である。
それと同時に御神真刀流を継承する家の次男坊でもある。
つまるところ俺の今回の勝因は
なのはが俺が御神真刀流を会得していると知らなかったこと
また、俺を魔法が使えないからと言って油断していた事だ。
「にゃはは…負けちゃった」
「気にしないでなのは、気付くべきだったんだ、この前の鎧の強さからすればみずなさんも強くて当たり前なんだ」
なにやら二人で反省会を始めてしまった様だ
このままだと埒があかないのでユーノに話しかける
「さてとユーノ、これで実力は問題ないな?」
「はい、分かりました。でも…」
「分かってる、無闇に人に話したりしないって」
「ありがとうございます」
それだけ聞くと満足したのかなのはに向き直して、また二人で反省会を始めてしまった。
特に気にする必要は無いか・・・
そう思い二人の反省会を放置していたのだが、
二人の反省会もといお互いの謝罪とフォローの負の連鎖はとどまる事は無く
むしろ悪化し始めた時には、自らの選択が誤りだったと気付かされるのだった。
後書き
やっと書く事が出来ました
遅くなりすいません。
やはり仕事が本格的になってくると書く時間が減ってしまいます
それで
これからは休みにまとめて2〜3話書く方面でいこうかなと思っております。
因みに次の休みは3〜4日後です
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