星河の覇皇
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第八十七部第三章 港の整備その三十七
「無駄がなく合理的な戦術を執りだ」
「かつ愚かな将帥もいません」
「訓練不足は感じますが」
「練度がやや低いことは」
「ですが統制はしっかりしていますし」
「無能な者も非常に少ないです」
「実戦経験は乏しいが」
このことは事実だがというのだ。
「しかしだ」
「教育はしっかりしており」
「無能は少ない」
「そして軍全体としてです」
「無能な組織ではないです」
「手強い」
これがタンホイザーの連合軍への評価だった。
「侮ってはいけない」
「そうした組織ですね」
「連合軍は」
「そのことは知っておくことですね」
「まさに」
「そうだ、だからだ」
それ故にというのだ。
「連合軍は侮れない、そしてそれを知ることもな」
「実際に戦う」
「経験を通じてですね」
「そのうえで知ることですね」
「そうだ、愚者は経験から学ぶというが」
それでもというのだ。
「経験を馬鹿にすることはな」
「出来ないですね」
「とてもですね」
「歴史もそうですが」
「経験からも学べますね」
「戦争もそうであり」
タンホイザーはここで己の腰にあるものを見た、エウロパの将官に与えられる将官の証である剣だ。
「フェシングもだな」
「はい、スポーツでもです」
「先程もお話に出ましたが」
「スポーツでも同じですね」
「手合わせをしてわかりますね」
「相手のことは」
「そうだ、スポーツは何か」
こうした話にもなった。
「そもそもな」
「スパルタからはじまりましたね」
「あの戦争に極端に特化した国に」
「あの国の者達が戦士を育てる」
「身体を鍛える為のものでしたね」
「それがはじまりでしたね」
「戦いに勝つ戦士を育てる為のな」
まさにその為のというのだ。
「そうだったな」
「はい、元々戦争の為のものでした」
「それがスポーツでした」
「それで、ですね」
「そのスポーツでもですね」
「同じですね」
「そうだ、試合をしていってだ」
そうしてというのだ。
「そのスポーツを知りだ」
「相手のことも知る」
「それは殺し合いではないですが」
「スポーツマンシップに則ったものですが」
「それでもですね」
「相手と実際に対してな」
戦争と同じ様にというのだ。
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