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彼は いつから私の彼氏?

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4-6

 3日の日は、お昼前に駅でお母さんと待ち合わせをしていた。午前中はお店に出て早退するらしい。私が着替えて、お母さんに教わったように洗面所で軽くお化粧して出て来ると

「おぉ いつもながら 可愛いのぉー お母さんも張り切ったのか?」と、お兄ちゃんが・・・もう、翔琉君ンチに行く時間のはずだが

「まだ 行かへんのー?」

「あぁ 断った 悪いけど 水澄の体調が悪いからってな 一緒に家に居てやりたいからって」

「はぁー? そんなん ・・・ 駅でバッタリしたらー」

「まぁ そん時はそん時でー 俺だけって行くってのも おかしいやろー?」

「そーかなー おかしい カナ? すまんのぉー 気使わせて 兄貴ぃー」

「うふっ そんなんより 楽しんでこいよ おいしいもの喰って 駅まで送って行ってやろうか」

「いいよー ひとりで ダイジョービ!」

「うん 上手にお化粧できたみたいね 可愛らしいわ」と、お母さんに会った時、感激していた。

 電車に乗って準急で一駅、歩いて15分程のところに、そのお店はあった。店の周りは樹々で囲まれていて、奥まったところにある。木の階段を3段ほど上がって玄関があって、静かなお店なのだ。

 向こうの人は先に来ていて、私達が席に着くと、息子さんという男の子が

竹通一真(たけみちいっしん)です 陽光学院高校の3年です」と、先に挨拶をしてきた。真っ白なポロシャツに白い綿パンで何かの宗教の人みたいなんだけど、続いて、お母さんに催促されて、私も

「香月水澄です 太子女学園中学の1年生です」

「まぁ お写真拝見したけど 実際にお会いすると ずっと 可愛いわー ねっ 一真?」

「あっ あー そーだね」と、とりあえず腰掛けた後、予めお料理が頼まれていたのか前菜が運ばれてきて、

「たみちゃん ワイン飲むでしょ」と、ワインが来て、私達にはぶどうジュースで、ワインを口にして、お母さんが

「一真さんは とても 勉強がお出来になってー 陽光学院は大阪でもトップなんでしょ 阪大医学部目指しているなんて ご立派ですよねー」

「いゃーぁ 周りはみんな そんなもんですよー」と、さらっと言っていて、細くて涼し気な眼からは物事を冷静に判断する人なんだという印象を受けたのだ。そして、最初に会ったときも、筋肉質でなくて細身で背が高くて、私と頭ひとつ違ったのだ。

「たみちゃん 久し振りね こうやって会うの 何年ぶりかしら」

「達樹が生まれたときに フーちゃんがお祝いに来てくれて以来 15年位かしら」

「たみちゃんから連絡もらってね びっくりしたのよ」

「えぇ 水澄が今年中学生になったでしょ だから 区切りかなって 今までバタバタして 連絡しなきゃーって思ってたんだけど ついついね」

「水澄ちゃん 卓球部に入ったんだって? 強豪チームだから 大変なんでしよ?」

「はい でも 先輩が親切だから なんとかー」

「この子 のめり込むほうでね 夜も自主トレとかで頑張るのよー 土曜日なんかも練習だって出て行くのよー」

「そーなの 一真も運動はしてないんだけど 補習授業とかで 土曜日も出て行くのよ 午前中だけなんだけど」

「あらっ そーなんですかー 水澄も午前中だけなんですの じゃぁー 終わったら 今度 学校も近いんですし 水澄を公園とか美術館とかに誘っていただけないかしらー」

「えっ お母さん そんなの・・・」 私 突然のことで、どう言ったら良いのか・・・

「それは良いかもねー 一真もガールフレンドも居ないんだから こんなに可愛らしい娘と歩いたら 自慢出来るでしょ せっかく こーやって お知り合いになれたんだから もっと お互いのこと知り合えば?」

「そーなのよ こちらからも是非おねがいするわー この子ね 小さいころは目立たない地味な子だったんだけど 最近 顔立ちも可愛らしくなってきたのよねー」

「あらっ たみちゃん それ! 親の贔屓目じゃぁない?」

「ふふっ かもね」

「じょーだんよ! 確かに 人目を引くような可愛らしさヨ! お洋服のカタログに載っているモデルさんみたい ねっ 一真?」

「はっ? ・・・まぁ・・・可愛い人だけど・・・でも まだ 中1・・・」

「いいじゃぁないの こんなに可愛い子 早く お友達になっとかなきゃ 取られちゃいますよ ・・・ちょっと 言い方 下品だったかしらー」

「いいのよー 水澄だって 年上の人とお付き合いして巾を広げなきゃって思ってるの 特に 女子校だからね でも、まだ子供なので、一真さんには物足りないかもしれないけど、優しくてとっても良い子なのよー」

「お母さん 私・・・」と、どうしたらいいのか戸惑っていた。その場は、断りの言葉も言えなかったのだ。

 お料理も食べ終えて、お茶を飲んでいる時

「そうだ お写真をね」と、お店の窓際にみんなを呼び寄せて、お店の人にお願いをしていたのだけど

「今度は ふたりで並んで」と、私と一真さんを並べてきて・・・私は、仕方なしに手を前で揃えていて 撮られてしまった。こんなことぐらいなんだけど・・・この時は、私はまだ 心の中で (翔琉ごめんなさい) と・・・。

 そして、お店を出て別れる時

「そうだ 一真 水澄ちゃんの連絡先 交換した?」

「あっ 水澄には まだ 携帯持たして無いのよー そろそろクラブのこともあるし、これから契約に行くわー 又 番号連絡するね」と、急にお母さんが言い出した。

 それから、家の近くのお店に飛び込んで、お母さんは私にって急いで契約したのだ。

「あとで 一真さんに番号 連絡しておきなさいね これ!あの人の番号」と、番号が書かれたメモを渡された。

「でも・・・ 私 あの人とそんなに話して無いしー 何を言えばいいのかー」

「だからよー 水澄のほうから連絡したほうが 効き目あるのよ これからお付き合いするのにネ!」

「お母さん・・・ そんなぁー お付き合いってー」

「まぁ そんなに 固く考えないで ただの お知り合いとしてね 普通よ!」と、強引に押し切られた。こんな時って 私 お母さんには何にも言えないのだ。 
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