星河の覇皇
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第八十七部第三章 港の整備その二十六
「口に出来ません、むしろエウロパ貴族以上にです」
「そうした制約が多いか」
「そうした家とのことです」
「そうか。エウロパのどの君主家よりも歴史は長いが」
それこそハプスブルク家も足元にも及ばないとされている、そしてそれは歴史と格式において紛れもない事実である。
「しかし」
「それでも質素ですね」
「それもかなりな」
「そうした家ですね」
「私は贅沢に興味はない」
これといってだ、タンホイザーは軍人であり軍人は質素な人物が多いがそれ以上に彼は元々贅沢にさして興味がないのだ。
それでだ、今もこう言うのだ。
「楽しめればな」
「それで、ですね」
「いい、だが食器はだ」
今使っているそれの話もした。
「必ずだ」
「貴族だからですね」
「銀のものだ」
「それは絶対ですね」
「これは日本の皇室もだな」
「あの家もですね」
「むしろ銀の質はな」
一口に銀と言っても質の上下がある、これはダイアモンドにも質の上下があることと同じことである。
「それはな」
「エウロパどの家のものよりも上ですね」
「総統閣下が使われているものよりもな」
「さらにですね」
「むしろ遥かにな」
こう言ってというのだ。
「比べものにならないまでにな」
「素晴らしいものですね」
「そうした銀を使っている、だが」
「それでもですね」
「あの家の伝統だな」
「質素ですね」
「かなりな、その日本の皇室については」
タンホイザーはさらに話した。
「忌々しいが比較出来ない」
「エウロパとは」
「それでいて質素なのだからな」
「恐ろしい家ですね」
「実にな、そしてあの家はな」
「日本の皇室はですね」
「エウロパ貴族無論ハプスブルク家やウィンザー家よりもだ」
ウィンザー家はイギリス王家である、オーストリア王家であるハプスブルク家と並ぶ名門とされている。
「そうしたしきたりはな」
「厳しいですね」
「その筈だ」
「そうですか」
「だからだ」
それでというのだ。
「そうした菓子は何があってもな」
「口にすることはないですね」
「だがな、連合は全体的にはな」
そうしたごく一部と言っていい例外を置いてというのだ。
「そうしたこともなくな」
「誰でもですね」
「そうだ、食べることが出来る」
「そうなのですね」
「中央政府大統領でもだ」
連合の国家元首である彼でもというのだ。
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