| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

博士の挑戦状

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百八十六話

                第百八十六話  脱出してから
 ブリーフ13は山道人が決して通らない様な道を通って神戸を後にした、警察が気付かないうちにそうして。
 島根の方に出てだ、そちらの協力者に話した。
「これでだ」
「また仕事が出来るか」
「神戸にはバカンスで来たが」
 それでもというのだ。
「警察にマークされたからな」
「出来なくてか」
「脱出した、だがな」
「また仕事出来るな」
「そうなった、丁度用件が来ている」
 島根の協力者の前でも白ブリーフ一枚で言う。
「だからな」
「そっちに行くか」
「今度の仕事はロンドンだ」
 イギリスの首都である。
「そちらでだ」
「仕事があるか」
「だからだ」 
 そうであるからだというのだ。
「そちらに行ってな」
「仕事するんだな」
「そうする」 
 まさにというのだ。
「そういうことだ、ではな」
「早速ロンドンに行くんだな」
「飛行機でな、ではだ」
「ああ、また機会があればな」
「会おう、世話になったな」
「何もしないしいいさ、ただな」
 ここで協力者はブリーフ13の白ブリーフを見て彼に問うた。
「あんたその下着何時洗ったんだ」
「三年前に穿いていらい洗っていない」
 ブリーフ13は平然と答えた。
「それがどうかしたか」
「あんた下着しないんだな」
「洗濯も入浴も嫌いだ」
 これがブリーフ13の返事だった。
「風呂には生まれてから入っていない」
「そうなんだな」
「それがどうかしたか」
「いや、あんたらしいと思っただけだ」
 これが協力者の返事だった。
「ただな」
「そうか」
「ああ、ロンドンでも気を付けろよ」 
 彼にこうも言った。
「警察にはな」
「肝に銘じておく」
「それじゃあな」
 こう言って彼を送り出した、警察がブリーフ13が神戸を出たことに気付いた頃には彼はもうロンドンにいたのだった。


第百八十六話   完


                   2024・7・19 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧