同志諸君に告げる。これが理不尽だ!
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第13話
前書き
サイト管理者です。第13話「邂逅」になります。
どうぞ、ご覧下さい。
ヤマトはガミラスからの和解により、スムーズにコスモリバース受領を終えて帰還の途。そんな最中だった。
主要艦橋員達はコレまでの事を、走馬灯のように頭を過ぎっていた。
ガミラス冥王星基地の破壊はもう二度と流星爆弾は地球に降ってこないこと。ガミラス機械兵の捕獲。
ワープ時に起きた異次元断層の際にガミラス人が青い肌を除いて地球人類と同じであること。ビーメラ4での反乱と未確認の宇宙人、自らをオリビア・ミドガルドと名乗る少女。
コスモリバースの受領。亜空間ゲート内でデスラー総統と名乗る人物との一騎討ち。ガトランティス遠征軍との遭遇戦に『ジレル人』の末裔の巫女に、『アケーリアス文明』惑星(星の方舟)シャンブロウ。
良くも悪くもあったがそれは、皆の思い出の1ページを飾ることは言うまでも無いだろう。それを主要艦橋員、いや全てのヤマトクルーは、形はなんであれそう共通し自覚していた。
「真田副長っ、前方に重力場の歪みを確認しましたッ、距離2光秒ッ。これは…ワープアウト反応ですッ!。ガミラス、ガトランティスではない!?」
レーダー等より強力な重力波が検知された。それを船務科の船務士である『西条未来』は現在、この場の最高指揮官である真田に緊張した声音でそう報告した。
黒髪のロングヘアを背中の真ん中あたりまで伸ばし、頭にカチューシャを付ける特徴を持った女性、西条未来は船務長である森雪の交代要員として百合亜と共に電測等を担当している。
その報告の直後、第一種戦闘配置が発令され、艦内は一気に慌ただしくなり始める。
それと同時に多数の青く輝くワープゲートが展開された。
そこから出てきたのは多数の戦闘艦艇。
「スクリーンに出せ」
スクリーンにて確認するヤマト主要クルー達。
未確認艦隊の見た目としては全ての艦艇共通することなのか立方体であり箱型に近い形状をしており、何処か「もしかしたら別世界の地球軍に出てきそうだな」という感想をヤマト艦橋クルー達は不思議と違和感(普通なら感じるかも)無く受け入れていることを感じ取っていた。
スクリーンに映った艦隊規模に皆、中性子星カレルでの戦いを思い出させたが真田は落ち着きを持って指示を出した。真田が言い放った後、スクリーンに映る艦隊の望遠映像には、白色を基調とした輝く船体の巨大な戦艦が構えていた。
「未確認艦隊数ハ1000隻ヲ確認。ソノ内ノ推定全長750m、数ハ一隻デスガ、コノ大型戦艦ハ未確認艦隊ノ旗艦と思ラレマス」
出てきたのは多数の全長250mの艦艇。そして未確認艦隊中央に30隻の全長600mの艦艇とガミラス軍ゼルグート級に匹敵する全長750mである艦艇が一隻をヤマトは確認した。
「副長!指揮官から呼びかけています!、映像通信です。受け入れますか?!」
「ファーストコンタクト……」
ヤマトは、現在遭遇しているこの宇宙人の姿を知らない。
つまりこれは事実上、初めての接触だ。
「応じよう。…スクリーンに回せ」
緊張が走る中、未確認艦隊の旗艦からの映像通信が入った。
固唾を飲み、皆の視線がスクリーンに注目する中、スクリーンにノイズが走り映し出される。その宇宙人の姿を見て、またしても艦橋クルーは決して軽くなく、そしてかつて以上の無い衝撃を覚えた。
何故ならば映像に映し出されている人物はこの場に居る人物、オリビアと瓜二つであったからだ。違う点を挙げるならば第二次世界大戦時の旧日本軍のような白い軍服を着ていて、肩から赤いマントが着いていることだろう。
階級章の派手さや飾緒、肩章の色から恐らくこの場にいる彼女も共に高級士官であることは容易に察せられた。
『…私はこの艦隊を率いる者、名はオリビア。階級は上級大将。…指揮官と話したい」
「本艦の副長、真田です。…要件を聞いてもよろしいですか?」
『ストレート!?』っと恐らく、いや恐らくでは無く真田を除くヤマト艦橋クルー達は思っていることだろう。
『話は、簡単だ。今そこに同志を…それでは分からないか(小声)。私は、そこに居るもう一人の私を迎えに呼び、連れ帰るよう命令を授かっている。それともう一つ、既に聞いているかもしれないが地球と同盟を結びたい…もし断れば」
「副長ッ、未確認…いやミドガルド前衛艦隊と思しき艦隊の内100隻近づく!。速度7sノット!!」
『手段は厭わない。…分かってくれるな?。…なんか大変な事に(小声の小声)』
西条は緊張とかつ少しの怯えが入った声音でそう報告した。無理も無いだろう。威嚇かもしれないとはいえ、その艦隊行動はもしかすると攻撃されるかもしれない。それにより緊張の頂点に達しようとしており、西条を含めたヤマト艦橋クルーがそう思うのも仕方が無いとも言えた。
「お待ち下さい」
少し重く響く声が艦橋に伝わった。
艦橋に現れたのは沖田艦長だ。艦長帽から鋭い目が覗き、どんな状況でも冷静に物事を見る慧眼が光っていた。
ヤマトに接近中であったミドガルド艦艇100隻は待機命令を下されたのか、速度が急速に落ち、やがてはその場に停止した。
「…承服しましょう、ただし、同盟に関しては私一存で決めることは出来ません。持ち帰っての話とはなりますが我々は現在、航海の途中なのです。事を構える意思は有りません。…そこは御理解下さいませんか?」
『・・・』
映像越しに映る”オリビア”からは、直ぐに返答が無かった。その間が、非情に重く感じた。
無言の圧力を加える映像越しのオリビアを前にしても尚折れない鋼のように敢然と立つ沖田の佇まいは、この場に居る艦橋クルー達にとって確かな勇気と信頼となって映ったことだろう。
『…そうか、了解した。ではまず―――」
こうして友好的?な通信の後、ヤマトに居たオリビアをミドガルド艦隊へ返還した後、彼女等はワープアウトし沖田達は地球に向けて帰還の途に戻ったのであった。
後書き
〜〜ミドガルド艦隊編成〜〜
・FG300型フリゲートⅡ級970隻
・AC721スサナー級Ⅱ型 30隻
・プロテクト級航宙戦闘艦1隻
〜〜ヤマトと別れた後のミドガルド旗艦〜〜
「何故ヤマトを包囲せんとばかりに艦隊をそう動かしたんだ!?」
「間違えだ!何度も言っているだろう!?」
「手段は厭わない(意味深)って明らかに脅しじゃないかッ!しかも、なんか大変なことにって言っていたの、ヤマトクルーは聞こえていないようだが私は聞こえたからな!!」
「まぁまぁ、落ち着けヤマトに居た同志に本艦隊旗艦司令の同志よ。目的は達したんだ。それに地球の件に関しては沖田艦長が持ち帰るようだし…」
「それ思ったんだが、地球に直接行けば解決では?」
『天才だ!?』
彼女等ミドガルドが地球に向かい、国交及び同盟が結ばれるのはそう遠くない未来のことであった。
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