同志諸君に告げる。これが理不尽だ!
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第6話
前書き
サイト管理者です。第6話となります。
後半よりクリスタ准将SIDEです。
どうぞ、ご覧ください。
「システム衛星トリンク開始、間モナク『大マゼラン銀河』方面に続クハイパーレンゲートガ開キマス」
”超空間ネットワーク”…それは銀河間航行を行う上で重要な中継システム。超光速航行でも多くの時間を要する銀河間航行を支える宇宙の灯台とも呼ぶこともある。ハイパーレンゲートと我々が呼んでいるアレは使用したことが無い。正確に言うならば数日前に完成したばかりと言うべきか。
「…ゲート開門次第、突入を開始」
「ラジャラジャ」
完成したら正常に使用出来るかテストをする。其れが今回の目的であるが実はもう一つ存在する。…それはガミラス軍人達を返還することだ。ガミラス艦隊との交戦したあの件以降、我々は更なる備えを行っている。理由は簡単だ。……返還しないと大艦隊で報復してくると思うと後が凄い怖いから。
それと同志オリアナをガミラスに向かわせ情報を収集することも目的に入っている。たしか『ニーシャ=イスカンダル』で名前を通すんだったか。イスカンダルってなんだろうか?
ゲートが正常に稼働し亜空間へと入り大マゼラン銀河方面(外縁部)に建設したゲートを超えることが出来たら、テストは成功と見て良いだろう。
とはいえ、未知の世界(銀河)であるし危険は付きもの。ゲートも例外では無い。もしかしたら巨大な生物が居るかもしれない。そう考えると単独で行くことなど出来っこない。そんな時は僚艦を連れて行こう!っと現在も一緒にいる『ミュニファスント級巡洋艦』6隻が、私が乗る『プロヴィデンス級キャリアー』を守るように囲んでいる。
何方もバトル・ドロイド達によって運用されている。今回はゲートを通る為、体にどんな影響を受けるか分からない為、クローン達では無くこの2点を連れていく。私か?私どころか全同志は問題ないだろう…多分。
「ゲート開門ヲ確認、全艦コレヨリ突入シマス」
さぁ、無限の彼方へさぁ行こう!。
〜数十秒後〜
まるで青い海のようであった。底を知ることなど出来ないまでの深さ?があり上も同様だ。透けて見えそうな海は穏やかであれば綺麗に見えただろう。だが違う。確かに青いし透けそうであるが強風や風、竜巻に雷が鳴り響くのはとても穏やかとは言えないだろう。
亜空間…通常の物理法則が通用しないと仮定されているがこうして軍艦が問題なく飛べていることは少なくとも航行は可能なようだ。エリスレーザーは使えるか?試しに砲撃するよう命ずる。…ふむ、砲撃は出来るが何等らかの影響なのかエリスレーザーは途絶えた。…此処が亜空間であることが改めて強く実感させらるな。あぁ、イイ♪。
艦は多少、本当に多少揺れる程度に済んでいるのは有り難いがレーダーは想定の範囲内というべきだなところ、スキャナー等も酷く乱れていてとても使い物にならない。
搭載されたゲートコントローラーは一切の機能障害を起こすことなく行き先を示し続けているのは素晴らしい。
『ゲート接近、衝撃に備えて下さい』
むっ、艦に衝撃が襲っているな。まぁ問題無く安定しているが飛行機であれば危ういだろう。
しばらくすると通常空間に見えてきた。少しして、ゲートから白煙と共に私を乗せた艦と護衛艦達が出た。視界いっぱいに映るのは、星々の海の輝きであった。背後にはゲートが。…とても綺麗だ。
「イエェェェーイ!」「作戦ハ成功ダー!?」「星ガ綺麗ダー!」「ラジャラジャー!」
あぁ、素晴らしき人生かな。このような体験はそうそう無いものである。同志に感謝である。さて、帰って成功したことを報告をしなければな。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
〈クリスタ・ファイストSIDE〉
「問題認められず。システム正常に稼働中」「ーーーー、ーーーー?、准将閣下っ」
はっ、まるで夢から覚めたような感覚だ。…表現が難しい。
「あ、あぁ大丈夫だ。ハイドリッヒ」
「しっかりなさってください。間もなく我が家に帰れるのですから」
心配する声掛けをして何処か呆れた声をするハイドリッヒ。
「無論だ、…ハイドリッヒ」「はい…」
「あれは…ゲシュタムの門、か?」
「いえ、違うでしょう…が、形状と見た目、その他の点においても似ているように感じるのは私だけでは無いようです」
私達は捕虜となり二週間経った今日、開放された。過ごした日々は驚きの連続であったが今日もそうなりそうだ。…彼女等が言っていた「近道がある」という言葉、、先導されながら帰路に着く中コレを見つけた今、私達は驚いている。…前方にある彼女等が『ハイパーレンゲート』と呼んでいたものはゲシュタムの門に似ていたのだ!…。
「ッッ!?、前方のゲートより反応がっ」
管制官がそう言った直後、ゲートの何もない虚空を突き破り白煙と共に現れたのは、ガミラス軍最大級の一等航宙戦闘艦『ゼルグート級』と同等かソレ以上の大きさの艦艇が姿を現した。艦の形状は自分達と交戦した彼女等が持つ軍艦と違い流線型のようであった。
ソレが中心から現れたと思えばその艦を囲むように6隻が姿を現した。囲むように現れた艦は先程よりか小柄な船体を思わせるがそれでも旗艦と思われる艦艇と共通する部分が見られる。ゲルバデス級を優に超えゼルグート級と同じくらいの全長があるのが容易に分かった。
「ッッ!?…全艦戦闘っ……ん?」
私は戦闘配置の合図を送ろうとするが違和感があった。まず攻撃をしてこないこと、もう一つは我々を先導している彼女等『ミドガルド』は攻撃をしていないこと、ゲートを警備していると思われるミドガルド軍の300m級の軍艦数隻は出迎えをしていたからだ。
「ミドガルド軍より通信が来ております」
「受け入れる。…回線を開け」
ノイズが走る、数秒後、ミドガルド少女将校の姿が正面モニターに映し出された。ミドガルドの階級についてはうろ覚えではあるが、え〜と確か中佐だったか?
改めて思うがその年で佐官とは…若いな。…だ、だが私はまだ負けてないぞ!…誰に言っているんだろうか。
『クリスタ准将、ハイパーレンゲート通行を許可する。…既に聞いていると思うがこの先が大マゼラン銀河である。続けて先導に従いゲートへ入れ』
このゲートはミドガルドが造ったのかそれとも我々のように後から利用しているのか…、もし前者であれば末恐ろしいが後者であることは間違いないだろうが私は何故か後者であることを断じることが出来ない。不思議と前者であるミドガルドが造った可能性を頭に過ってしまう。
「りょ、了解した。その前に質問が有るのだか…」
『質問?それは今ゲートから出た艦艇のことか?』
「そ、そうだアレは一体…」
『…私には貴女が言うアレに関しては言えるは無いと言っておこう。ただ、少なくとも君達の脅威になることは無い。…他には?』
言えることは無い、か。成程、どこの国軍でも情報統制はされているのか。
「…質問に答えて頂き感謝する」
『そうか、…ガミラス本土への無事の帰還を祈る』
通信が終える。
フフっ、我々の心配をしてくれるのか。嘘だとしても本心で無いにしても嬉しい限りだな。
「さぁ、諸君。我が家に帰ろう」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そういえば何か大事な事を忘れているような……、そうだ!イスカンダルの御方であるニーシャ様がこの船に乗られているんだった!!。ニーシャ様を忘れてしまうなんて私はなんてことをッ!。ミドガルドよっ。なんで気軽に「連れてって♪」と言えるのだ!、不敬だぞ!!私よりも!?。
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