同志諸君に告げる。これが理不尽だ！

西暦２０４０年の大晦日の今日。世界で人気のSFゲームVRMMO『ワールド・スペース・オンライン』がサービス終了となる。

このゲームは元々２０２０年初期にスマホゲームとして発売されたが世界から人気を呼んだ。
発売から５年、某企業は体感型VRMMOを開発する。

体感型というのは専用コンソールを利用して、外装に五感を投入し、仮想の世界で現実にいるかのように遊べるゲーム一般を指す言葉である。

当初は基本的なコストが高額となっており医療、軍事関係などの使用がメインとなっていたが年数を重ねるにつれて非常に簡素化し、やがて体感型は一般家庭に普及するようになっていた。

この頃より某企業はゲームにも更に力を入れるようになっていたがその際、人気があるワールド・スペース・オンラインを体感型に導入。

今更ではあるがワールド・スペース・オンラインについて説明しよう。説明すると世界観は宇宙を題材とした物語であり宇宙開拓ストラテジー系オンラインゲームである。宇宙を探索し、国を管理し、他プレイヤー勢力との外交、貿易、戦闘を繰り広げるものである。

開拓、、とあるが開拓はどちらでもいい。開拓をやらないプレイヤーも居る。このゲームは自由度が高いのだ。冒険オンリーでも良し、商売を楽しむのもよし、覇権を握り未来永劫支配するプレイもよし。なので様々な楽しみ方が存在するのだ。

ギルドも作れるし、自分だけのアバターを作ることも可能で人間種以外でもヒューマイノイド型の異星人種にファンタジーに登場する神秘的な種族にまで。オリジナルの艦とかも作れたりもする。MOD要素もあり多々あり他作品の武器だったり、兵器だったり、キャラクターだったり色々と入れることだって出来るのだ。

　そんな世界だが、現在誰よりも愛していた存在達がプレイしていた。
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　ーワールド・スペース・オンラインー

　我々が愛するこの世界（WSO）は今日を以って終わる。

　貿易、外交、戦争、冒険、開拓

　出会いと別れは表裏一体。

　我々は忘れないだろう。『＃％＆＄”＆！Q（言語化不能）』として忘れる訳にはいかない。我々はリアル世界に置いてでも世界中を旅した。

　何故か距離を取られ畏怖の目で見られる事があったし説教もされた。時には石を投げてくる子供達。
何故投げられたのかは分からない。同志と共に捕えたワニをプレゼントしたことが駄目だったのか？
　何故説教されたのか分からない。女と男のアレコレについて教えただけなのに・・・。

　ショックだ。理不尽だ。話を続けようーーー

　我々は地球では出来なかった旅がこの世界では出来た。だが・・・

　其れも今日までだ。

　23：55：48

　間もなく、WSO世界は終わりを迎える。

　もっとしたかった。もっと冒険したかった。荒らしであるチーターを蹂躙したかった。
　
　23：58：48

　だが同志諸君、そんな顔をするな。私は貰い泣き体質なんだ。この気持ちだけは消えやしない。この気持ちだけは心に残るのだから。

　23：59：30

　だがもしも、もしもまた出来るのならーーー

　23：59：50
　
　それはとてもーーー

　23：59：55、56、57、58、

　なんて素晴らしいことだろう。

　23：59：58、59――　0：00：00

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　0：00：00……１ 

次回「何だ、この状況？」