バイオハザードなんてクソくらえ!【未完】
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第2話「女性が手にするのは希望か、絶望か…」
前書き
アンブレラ社の地下秘密研究所「ハイブ」でのバイオハザード発生から数日後、汚染は研究所内部で食い止められたことで、その真上にあるラクーンシティの住民たちはいつもと変わらぬ日常を送ることができた。だがそれも今日から”非日常”となることも知らずに…。
〜〜ラクーンシティ《レイベンズ・ゲート》中央入口〜〜
いつもは沢山の車が行き逢うこの道路と橋は、今日は異様な静けさがそこにはあった。だがそれも一瞬の内に変わった。
黒塗りのヘリ1機が上空を飛行し、ヘリの下では黒塗りの車「サバーバン」十数台が法が定める標準速度を少し超えて橋を移動していた。その正体はアンブレラ社だ。本来なら注意どころの話では無いが、此度は急を要した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
此度は急を要したのは一体何故なのか?
それは、ハイブから感染者が盛沢山という程、出てきたからだ。無論、出て来たのには理由がある。
アンブレラ社はハイブからの定期連絡が途絶えたことに対して、内部でなにが起きたかを事態究明のため、白い防護服にガスマスク、マシンガンを装備した調査隊をラクーンシティ地下にあるハイブのゲートへ派遣。
ハイブに潜入しようとゲートを開き、先発隊3名がマシンガンを構えながらトンネルを進む。
不気味な程に静かな時、人間では無い何者かの遠吠えのような声音に調査隊は身構えた直後に高濃度のウイルス反応が検知された。調査隊は内部から出てきた盛り沢山のアンデットやリッカーなどに襲われて全滅してしまう。
事の重大さを深く認識したアンブレラはまず、アンブレラ関係者及び重要人材を最優先とし住民の避難を開始した。
アンブレラ関係者及び重要人材の保護は全て迅速に行えたといえたが道中、T-ウィルス開発者のチャールズ・アシュフォード氏の娘であるアンジェラ・アシュフォードを乗せた車はトラックとぶつかり、意識不明となっていたが自身は無傷で小学校に避難していたためにアンデッドの襲撃から逃れていた。
昼頃より遂にウイルスによる汚染がラクーンシティ中にまで蔓延し人々は次々と感染してアンデットとなり、連鎖が止まらない。
アンデッドたちが溢れ出し、壊滅状態寸前へと成り果てる。
此度の事件の隠蔽を図る為、アンブレラ社は中央警備局(以降、「CSA」)やU.B.C.S.を派遣し、ラクーンシティを5m以上ある鉄の壁を用いて街中に囲い封鎖した。
唯一の出入り口ともなるレイベンズ・ゲートはラクーンシティに住まう市民達にとって、この惨劇から逃げ出すことが逃げる希望とも言えたが、その内の一人、感染者が出てしまう。
これにより遂にアンブレラ隔離部隊の指揮を執るケイン少佐によって、レイベンス・ゲートは完全封鎖された。
住民はCSAの銃撃から逃れるべくラクーンシティ内へ戻らざるを得なくなり、その大半がアンデットと化す。
夜頃となり、身を潜めていたアンジェラは、父親からの依頼で救助に駆けつけたアリス達に助けられ、共に行動することになる。
そして、なんやかんやあって時は現在、アリス達はケイン少佐以下のCSAに拘束されていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
拘束されたアリス達は全ての武器を没収され、結束バンドで縛られたうえ、強引に膝まつかされてしまう。
すぐ後ろにアンブレラ兵が一人一人、マシンガンの銃口を頭に向けていた。拘束をされず、ケイン少佐の前に佇むアリスを除いて…。
アリスは問うた。「何故殺さない?」っと。ケインは「ネメシスと君との決闘で《真の最強》を決めるためだ」っとアリスを見下した目をして言葉を返した。
「嫌よ」
アリスは当然、拒否した。何故そんな茶番に付き合わなければならないっと。
「仲間がどうなってもよいのか?殺すかもしれないぞ?」
ケインは青筋を軽く浮かばせてアリスを脅した。
「フフっ、あたしが気にすると思うの?」
アリスはケインが言い放った言葉が自分達を、私を脅すブラフであると思った。
「…そうか、なら仕方が無いな」
アリスは疑問を浮かべた。だが直ぐにハッと気がついた。
アリスはケインが放ったあの言葉が嘘では無いと確信した。だが遅かった。ケインは後ろに素早く振り返ったと思えば懐から拳銃を取り出し、チャールズ・アシュフォードの胸を撃ち抜いた。
「パパ?パパァァア!?」
アンジェラの悲壮な悲鳴がこの場に響き渡る。倒れるチャールズに…父に必死にしがみ付いて抱きつくが既に息はしていなかった。
「そんなっどうして?!起きてよッ、パパァ!パパァァア!!」
「なんてことを…ッ」
「彼は我が社の…アンブレラ社にとって有用な人材だった。ましては雑魚になど用は無い!。大人しく言う通りヘリに乗って避難すれば”こんな事”にはならなかったものを…」
涙が止まらないアンジェラをカルロス、ジル、ロイドは静かにケインが行った”コレ”に歯切りしながらチャールズを見詰めて、その後にケインを睨みつける。その中でもアリスは、その瞳を激しい怒りで炎のように燃え上がり、それはケインに向けられた。
「もう一度言う。戦え!でなければお前の仲間達が風穴を開くことになるぞ」
歯をギリッと噛み締めながらもアリスはカルロス達を横目で見やる。もし断ったら今度はカルロス達の誰かが犠牲になってしまうからだ。
「分かった、あたしはネメシスと戦うわ」
既にアリスとネメシスの一騎打ちとなるようケインは舞台を整えていた。設置型LED照明ライトをアリスとネメシスに集中し、ケインが合図を出したことで、アリスVSネメシスの決闘は始まった。
アリスは当初、武器も無く非常に不利な状況だったがケインは気を遣ってくれたのか、戦いの中で、二本の鉄の警棒をアリスへ投げ渡すことで、アリスはネメシスからの一方的に攻撃を防御と避ける、のでは無く少しずつ優位になり始めた。
激闘のすえ、遂にネメシスは金属の柱の前へと追い込まれた。
アリスは、ふっと頭の中で閃きが浮かんだ。。
「(ネメシスが即席の棍棒として作り上げた柱は今、刃のように細く鋭く尖った枝のように一つの方向へと伸びている。ネメシスは今、その前に居る。そこにネメシスをぶつけて身体を深くに刺して、動けないようにすれば勝利は揺るぎない筈…)」
アリスは勢いよく、態勢を整えたばかりのネメシスへ、無防備となった腹へと蹴りをプレゼントする。ネメシスはされるがままに、柱から伸びる細く鋭く尖った刃にネメシスは自身の身体の奥深く刺さった。
追い打ちを掛けるようにアリスは次々と攻撃を繰り出すが……突然アリスの攻撃が止む。アリスが涙をポロポロと零れ落ち始めたからだ。カルロス達は何が起きているのかさっぱり分からず、動揺してしまう。
アリスは……間近でネメシスの目を見た。その目の持ち主を…アリスは知っている。
あの時…あのハイブで、一緒に逃げて助け合い…一抹の恋心を抱いた人物…。
その名は……、
「ま、マット?」
「……ウガぁ」
アリスは目から熱い涙を流れる。カルロス達はアリスが戦っていた怪物がアリスの知人であったと知り、怪物となれはてた彼にしたことがアンブレラにあると確信し、再びアンブレラに対する敵意を剥き出した。
アリスはネメシス…いや、違う。ネメシスとなってしまったマットへと抱きついて謝り続けた。
「…つまらんな。何をしているんだアリス。”ソレ”を殺すんだ」
戦いの終盤、ネメシスよりもアリスのほうが肉体的な変異を起こさずに優れた能力を次々と発揮したことで、ケイン少佐はアリスの勝利とし、トドメを刺すように促した。
「いやよッ断るわ!」
アリスはマットから少し離れて、ケインへと振り返る。
「はぁ(溜息)、君はどれだけ大切な存在だと思う?彼は怪物にすぎない。だが君は、なんらかの形で細胞レベルでTーウイルスを取り込んだ。そして適応させて変化させた。…君は偉大な人間になったんだ」
「私は異常な生き物だわ…っ」
「違う、君は変異じゃない。進化なんだ!私の手助けで、どれだけのことが達成できると思う。さぁ、トドメを…」「しないわよ!彼は大切な仲間よ!!」
ケインは溜息を吐く。それと同時にネメシスであるマットは抜け出して、ミニガンを手に取った。
「君には失望させてくれるな…。それだけの力を活用する意思が無いとは…。なんたる無駄だ…」
ケインは最後に「ネメシスは進化の袋小路に入った」と付け加えて離陸の準備に入ろうとする。ばっさりと切り捨てたこの発言により、ネメシスはマットとしての自我を完全に蘇ったため、アンブレラを裏切ってアリスたちの味方に付いた。
アリス達と共にアンブレラの隊員達に攻撃を行っていたがその最中、機銃が備えられた小型ヘリはアリスを攻撃する。アリスは走りながら避けるが体力に限界がやってきた。
その時、マットがやってきた。マットはアリスの前に立ってロケットランチャーを小型ヘリへと放ったが、直撃によって墜落してきたヘリの下敷きとなってしまう。マットは最期にアリスへ、笑顔を向けて、亡くなった。
マットの後ろに居たアリスは衝撃破を受けて、倒れていたが意識はなんとか保ていていた。アリスをカルロスが引き摺って脱出に使う大型ヘリまで戻ると、ジルが大きな怒号をケインへ上げていた。
「立ちなさいッこのクソ野郎!」
ジルは鼻血を出して無様な恰好のケインの首元に拳銃を突き付けてヘリの後ろのハッチにまで連れて行く。
「グフ…っ。命乞いするとでも思うのか…ッ!」
ケインが指揮していた部下達(CSA)は壊滅した。仲間もいないくせにケインは気丈に振る舞ったがその様子を見ていたアリスは泣き顔のまま怒りの表情を露わにし、ケインが着るスーツの胸ぐらを掴む。
アリスはケインをハッチから落とすような体勢を作る。今までの激しい戦闘で響いた銃声に引き寄せられたのか、大量のアンデッドがやってきた。アリスは此処からアンデットの集団は見えないものの薄笑いを浮かべた。それを見たケインは唐突に慌て始めて説得するが意味は不幸ながら全くなかった。
「分かってるッ!だけどコレは…事態を打開するための第一歩よッ!!」
「や、やめ…うわーッ!?」
そう高くない高度から落とされたケインは、足をくじいた。すぐそこには(距離は20m)アンデットの集団が。
ケインは落ちていた拳銃で応戦したが最早コレまでと思い、自殺を図るが弾切れとなって出来なくなったことに唖然といしていた時、最期は自らが射殺したアンデット化したチャールズに喰い殺された。
そしてアリス達が乗せたヘリはラクーンシティから離れていくのと同じ頃、アンブレラ社の軍用機から放たれた核ミサイルはラクーンシティの中心へと向かっていき、一瞬の光に包まれながらそこで起爆し、ラクーンシティは壊滅された。
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第0.5話 フフフ、私は感染を拡大させる事なく防げたのだ!...
〈ゼノビアSIDE〉
ハイブからアンデット達がラクーンシティ中に湧いた時、一時はどうなることかと冷やせをした。
もしアンデットによる感染が起きて、手に負えなくなった場合は最終手段として熱核兵器で焼き払うのが正解であるとステラは話していた。
その行いをたしか”王道”だったか?意味は分からんがアンブレラ社設立前にステラが酒に酔って話していたのを覚えている。今のところは全米で感染者は確認出来ていないようだ。
だがアンデットが実在する事実は、絶対に世間の目には触れさせることは無いようにしなければならない。
女性キャスターであるテリ・モラレスによって撮影され、ラクーンシティの一連の騒動はマスコミへ流出されたのは、想定通り。
アンブレラの権力と情報操作によってバイオハザードの事実はもみ消した。核ミサイルの爆発も市内の原子力発電所の老朽化した原子炉が、チェルノブイリ原子力発電所事故と同様にメルトダウンを起こしたと偽証したのだ。
マスコミや世間ではバイオハザードの事件を「悪質なデマ」「やらせ」でほぼ占められていた。すんなりと信じてくれて有り難い。
おかげ様で州知事より「アンブレラ社の迅速な行動に感謝する」と感謝の意を表明してくれた。まぁ、私は州知事から直接貰ってもないし、間接的でも貰っていない。だって地下深くに居るのだから…。
いや本当に感染を阻止出来てとても嬉しい限りだ。しかし不思議だ。なんだがもの凄い嫌な予感するんだが、まさか街をただ壊滅させただけで、実は空気感染だったりしてな!フフフ……空気感染?
第1.0話 フフフ、私は感染を拡大させる事なく防げたのだ!(勘違いだった...)
悲しい知らせだ。世界中でバイオハザードが発生した……ハァ!?
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