星河の覇皇
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第八十七部第三章 港の整備その六
「国にもだ」
「なりますか」
「閣下はその様にお考えだ」
「植民地にはされないですか」
「かつて植民地がどうなったか」
エウロパ各国が築いたそれがというのだ。
「その全てがなくなったな」
「だからですか」
「そうだ」
「植民地ではなく」
「国家だ」
その立場でというのだ。
「国を築いていきな」
「権利もですか」
「認め」
国家そして市民のというのだ。
「それから首都もな」
「これもですか」
「どうもだ」
モンサルヴァートは自分の読みも話した。
「閣下はオリンポスからだ」
「首都をですか」
「移そうとお考えだ」
「そうなのですね」
「そしてその場所はな」
そこはというと。
「暗黒宙域の中央だ」
「そこにですか」
「エウロパ本土と新天地の中間地点だ」
「領土の中央に置くのですね」
「新首都をな」
「そして両方を統治されるのですね」
「エウロパは中央集権国家だ」
モンサルヴァートはエウロパの国家システムの話をした、各国の権限が強い分権国家の連合とは全く違う形式の国家なのだ。
「各国は存在しているが」
「各国の権限は弱いです」
「そうだ、そして中央政府の権限が強い」
「それも非常に」
「そうした国でだ」
それでというのだ。
「どの場所に首都があるか」
「そのことが重要ですね」
「若し首都の場所を間違えるとな」
「全土を統治出来ないですね」
「そうだ、首都を中心に置く」
そのことがというのだ。
「重要だ」
「中央集権国家にとっては」
「若しそれを間違えるとな」
その時はというと。
「統治が成り立たない」
「それが中央集権国家ですね」
「これは位置的なものではない」
そうした意味の中央ではないというのだ。
「交通、流通のだ」
「中心という意味ですね」
「そうだ、そして交通の中心はな」
「新天地に進出すれば」
「新天地の進出が進めば」
その時はというのだ。
「本土からあまりにも離れてな」
「その結果ですね」
「統治に支障が出る」
エウロパ全土のそれにというのだ。
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