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星河の覇皇

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第八十七部第三章 港の整備その五

「暗黒宙域のことはもうわかっているしな」
「確かに何もない空間ですが」
「何十万光年もな」
「災害も途中あります」
「アステロイドや磁気嵐があればな」
「ブラックホールも存在します」
「しかし何処に何があるか」
 その暗黒宙域にだ。
「既に偵察艇を送ってな」
「調べています」
「そして中継基地ももうけてだ」
「徐々に進んでいきます」
「そうしていけばな」
「一気に大西洋を横断するよりも」
「遥かに楽に安全にだ」
 その様にしてというのだ。
「進んでいける」
「左様ですね」
「だからだ」
「我々はですね」
「このままだ」
 まさにというのだ。
「進んでいける」
「左様ですね」
「言うなら我々は第二の大航海時代を迎えるが」
「この大航海時代は多くの犠牲を払うことはない」
「決してな」
「だからですね」
「祖先のことを思えばな」
 多くの犠牲を払った彼等のだ。
「遥かに楽にだ」
「進出出来ますね」
「そうしてだ」
 そしてというのだ。
「その先にある新天地にもな」
「辿り着けますね」
「祖先より遥かに楽にな、そしてだ」
「安全にですね」
「進出出来る、しかもその新天地はだ」
 暗黒宙域の果てにあるそこにはというと。
「知的生命体は存在していない」
「人間もですね」
「だからな」
「かつての様にですね」
「血で血を洗う争いもない」
 これはアステカやインカとの戦いのことを念頭に置いての言葉だ、エウロパでは輝かしい勝利とされているがだ。
「争いがないだけにな」
「それだけにですね」
「最初から楽にだ」
「入植が出来て」
「開発、開拓を行えてな」
「豊かになれますね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうなる」
「左様ですね」
「その一歩はな」
「ノール星系そして」
「辺境の基地や港を置く星系達からはじまりな」
 そうしてというのだ。
「進めていくことになる」
「左様ですね」
「そして新天地はな」
「植民地になりますか」
「いや、正式なエウロパの領土であり」
 モンサルヴァートはタンホイザーにこのことも話した。 
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