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星河の覇皇

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第八十七部第三章 港の整備その二

「このノール星系はとりわけだ」
「重要な星系ですか」
「様々な条件によりですね」
「そうなっていますね」
「だから築く」
 こう言ってだった、タンホイザーは一旦自身の乗艦に戻ってそこからオリンポスにいるモンサルヴァートに立体テレビ電話で話した。
 そこでだ、彼はモンサルヴァートに言い切った。
「ノール星系こそです」
「暗黒宙域進出の為にか」
「最高の拠点となります」
「だからだな」
「この星系に艦隊規模の艦隊を置き」
 そしてというのだ。
「そこからです」
「暗黒宙域を進んでいくか」
「そして徐々にです」
「その暗黒宙域にもだな」
「拠点をもうけていき」
「ギルフォード閣下の言われる通りにだな」
「暗黒宙域を踏破し」
 それを果たしてというのだ。
「そのうえで、です」
「その先にある新天地を手に入れるな」
「そうしていくべきです」
「そうか、しかしニール星系か」
「はい、今見てきましたが」
 タンホイザーは電話の向こうのモンサルヴァートに確かな声で答えた。
「まさに適地です」
「暗黒宙域進出の為に」
「暗黒宙域に接していて」
 そしてというのだ。
「星はどれも平地が多く」
「基地を築くのに適していてか」
「しかも寒過ぎず暑過ぎず」
 環境もよくというのだ。
「星と星の間は開きアステロイドや小惑星もです」
「少なくてか」
「はい」
 それでというのだ。
「港もです」
「築きやすいからか」
「ここに艦隊規模の港と基地を置き」
「進出の起点とするな」
「そうしましょう」
「わかった、ではな」 
 モンサルヴァートはタンホイザーに軍務大臣即ちエウロパの国政を担う役職にある者として答えた。
「卿が言うならだ」
「よしとですか」
「したい、ただ統帥本部長ともだ」
「お話をして」
「正式な」
 そのうえでというのだ。
「決定される」
「そうなりますね」
「そうだ、ノール星系というとだ」
 モンサルヴァートもこの星系について話した。
「全くの無人の星系だな」
「辺境も辺境にありです」
「これまで誰も進出しなかった」
「そうした星系です」
「領主もいないな」
「スウェーデン領でフェルゼン伯爵の領地になりますが」
 それでもというのだ。 
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