神々の塔

「悪いことやない」
「マイナスの気持ちになるのも」
「そや、ただ落ち込み過ぎて」
　そうなりというのだ。
「ほんま鬱になったりするとな」
「よおないな」
「そや、それでや」
　その為にというのだ。
「落ち込むのも何処かきりのいいところで誰かがな」
「励ましたりしてやな」
「明るくさせることや」　
　気持ちをというのだ。
「そうすることや」
「落ち込んでも重くずっとやなくて」
「やがてな」
「戻るべきやな」
「そういうことや」
「成程な、ほなな」　
　トウェインはシェリルの言葉を聞いて述べた。
「わい等も落ち込んだりしながら」
「そうしながらな」
「先に進むことやな」
「それが大事や」
「そうね、色々あるけれど」
　それでもとだ、アレンカールも言った。
「人は落ち込むことも時としてあって」
「全否定すべきことかっていうと」
　中里が応えた。
「決してな」
「悪いことやないのね」
「ああ、人にはどうしても落ち込む時もあって」
「そこからプラスにもなるから」
「それでな」
　そうであってというのだ。
「全否定出来ん、それでむしろ落ち込むことがないなら」
「人としてどうか」
「そうした場合もあるわ」
「そういうことね、あたいは自分で言うけれど明るくて」
　アレンカールは自分の性格のことを話した、実際に彼は明るく前向きな性格で楽天家としても知られている。
「落ち込むなんて滅多にないけれど」
「滅多にやな」
「やっぱりね」
　時としてというのだ、稀であっても。
「落ち込むわ」
「そうなるな」
「気持ちが上向く時もあれば」　
　その場合だけでなくというのだ。
「落ち込む時もね」
「あるな」
「ほんまにね」
「そんなもんやな、どんな明るい奴でもな」
　中里もまさにと頷いた。
「時としてな」
「落ち込むわね」
「それでどんな明るい人でも」
　アレンカールにさらに話した。
「鬱にもな」
「なるわね」
「鬱は環境や気候も影響するみたいやが」
「誰でもなるわね」
「そしてな」　
　そのうえでというのだ。
「苦しむことになるわ」
「あたいもひょっとしたら」
「なるかもな」
「そうね」
　アレンカールは自分で自分がそうなる可能性を否定しなかった。