ウルトラマンメビウス ウルトラ兄弟最大の戦い
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第七話 ウルトラ戦士堂々の勝利!その七
「いよいよだ」
ゾフィーが彼等に声をかける。
「いいな」
「はい」
「わかりました、兄さん」
他のウルトラ戦士達もそれに応える。そして今それぞれのビームを一斉に放ったのであった。
九つの光が宇宙人達を直撃した。これを受けてはさしもの彼等も立つことができなかった。
「見事だ」
メフィラス星人が彼等に対して言う。
「まさかこれ程までとはな」
「我等がまさか敗れるなどとは思わなかった」
「ここは御前達の勝ちとしておこう」
ヒッポリト星人とメフィラス星人の弟も言ってきた。
「では退くというのか」
「そうだ」
メフィラス星人は言った。
「最早これ以上の戦いは無意味、ならばな」
「待てっ」
だがヒカリはそれに追いすがろうとする。
「ここまで来て逃がしてなるものか」
「いや、待てヒカリ」
「ゾフィー隊長」
それはゾフィーに止められた。彼はヒカリだけでなく他のウルトラ戦士達も制していた。
「そうしたいのはやまやまだが今の我々では無理だ」
見れば全員タイマーが点滅している。もう限界であったのだ。
「くっ」
「ここまで来て」
「そういうことだ。どうやら運が我々を助けたようだな」
「また会おう」
「その時こそな」
ガッツ星人とナックル星人が述べてきた。他の宇宙人達は既に撤退態勢に入っているようであった。
「しかしだ」
ゾフィーが彼等に対して問う。
「今回の闘い、何の意図があったのだ」
「さてな」
テンペラー星人がそれに対してとぼけてきた。
「何のことか」
「どちらにしても今回は我々の負けだ」
「大人しく退くとしよう」
バルタン星人とメトロン星人が言ってきた。
「しかしだ」
カタン星人がここで言葉を鋭くさせる。
「我々はまた来る」
「その時こそ」
ファイアー星人がそれに続く。
「我々の勝利だ」
「楽しみに待っているがいい」
ミステラー星人の言葉が最後であった。宇宙人達はその姿を消して何処かへと消え去ったのであった。
闘いは終わった。しかしウルトラ戦士達の心にはあるものが引っ掛かっていた。
「教官」
メビウスがタロウに声をかけてきた。
「どうした、メビウス」
「彼等とはまた戦うことになるんですね」
「おそらくはな」
タロウはその問いに答えてきた。
「それは間違いないだろう」
「ただ」
彼はその心に引っ掛かっているものを今出してきた。
「それだけでしょうか」
彼は言う。
「僕は何か恐ろしいものを感じるのですが」
「メビウス」
今度はゾフィーが彼に声をかけてきた。優しい声であった。
「怖れているのか?」
「いえ」
だがメビウスはそれには首を横に振る。
「違います。ただ」
「ただ。どうしたんだ」
「僕は守りたいんです、どんな相手が来ようとも」
彼は静かにそう述べてきた。
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