八条学園騒動記
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第七百六十九話 三人で飲むクミズその三
アロアはベッカと二人でナンのゲルに行くこととなった、ナンもそれを認めたのでそうなった。そしてだった。
ナンのゲルの前に行くとだ、それがあったのは。
「公園の中にあるけれど」
「いつも許可得てるそうね」
「ゲルの置く場所って」
「警察にね」
「遊牧も大変ね」
「街で行うとなるとね」
二人はゲルの前を見て話した。
「そうよね」
「ナンは何でもない感じだけれど」
「私達から見るとね」
こうした話をゲルに入る前にした、そしてだった。
ゲルの出入り口の前でだ、二人はその中に声をかけた。
「こんばんは」
「こんばんは」
すぐに中からナンの返事が来た。
「ちょっと待ってね」
「うん、それじゃあね」
「そうさせてもらうわ」
「いらっしゃい」
二人が頷くとすぐにだ。
ゲルの出入り口が開いてナンが出て来た、そうして笑顔で言ってきた。
「入って」
「ええ、じゃあね」
「これからね」
「靴は玄関で脱いでね」
「そうそう、今はね」
「ゲルは土足駄目よね」
「昔は違ったけれど」
ナンは二人に答えて話した。
「今はそうなってるから」
「あんたもよね」
「ゲルの中では靴脱いでるわね」
「そうしてるわ」
実際にというのだ。
「それでね」
「これからね」
「お邪魔するわね」
「どうぞ」
ナンはまた笑顔で応えた、そうしてだった。
二人をゲルに入れた、中に入るとだった。
真ん中に鍋があり席も用意されていた、そしてだった。
「クミズね」
「お酒も用意されてるわね」
「もうあんた達が来たらね」
二人に鍋の中で煮えている羊の骨付き肉を見つつ話した。
「何時でもね」
「宴会が出来る様に」
「準備してくれていたのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「もうね」
「じゃあ今すぐに」
「飲んで食べられるわね」
「ええ、あんた達の持って来てくれたものも」
そちらもというのだ。
「同じでしょ」
「カップ焼きそばはお湯入れて三分よ」
ベッカがこのことを話した。
「だからね」
「ちょっと待つわね」
「それでお湯は」
「飲みましょう」
カップ焼きそばのそれはというのだ。
「ちゃんとね」
「飲むの」
「そう、後でね」
「そうね、ちゃんとね」
ベッカはナンの言葉に頷いて言った。
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