八条学園騒動記
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第七百六十八話 ナンの歯磨き粉その十
「ああした感じで」
「そういえばあんたどんどん飲むわね」
「飲む量多いでしょ」
「ワインとかでもね」
「もうお酒は沢山飲むのがね」
それがというのだ。
「身体に着いたのよ」
「それでなのね」
「ワインもね」
この酒もというのだ。
「だからね」
「ごくごく飲むのね」
「クミズの時みたいね」
「そうなのね」
「クミズのアルコール度はビール程度でも」
「ごくごく飲むから」
「それが習慣になって」
それでというのだ。
「勢いよく飲んでるの、あとね」
「あと?」
「蒸留したクミズもね」
「そっちもなの」
「よく飲んでいて」
それでというのだ。
「中にはウイスキー程の濃度のもあるのよ」
「それは強いわね」
「そういったクミズもね」
「そうした感じで飲んでるの」
「そうなの」
そうしているというのだ。
「私はね」
「あの、モンゴル人って大酒飲み?」
アロアはナンの話を聞いてそうではないかと思った、それでナンに対していぶかしむ顔で尋ねたのだった。
「若しかしなくても」
「ええ、そうよ」
ナンもその通りだと答えた。
「実はね」
「やっぱりそうね」
「皆夜になると飲むのよ」
「大量に」
「羊からもお乳採るしね」
「そうなの」
「昔は馬からだけだったのが」
それがというのだ。
「今はね」
「羊からもなのね」
「沢山採ってね」
そうしてというのだ。
「お酒にして」
「沢山飲んでるのね」
「馬に乗っても飲むから」
「落馬するでしょ」
「いや、モンゴル人馬に乗って寝ることもあるから」
アロアの咎める感じの顔になっての突っ込みに即座に答えた。見ればその顔は何でもないといった感じである。
「お酒飲むのもね」
「馬に乗ってでもいいの」
「モンゴル帝国の頃はクミズをご飯代わりにして」
「馬に乗ったまま飲んで」
「何日も進むなんてね」
「していたの」
「今だってたまにするわよ」
やはり平然として話した。
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