おぢばにおかえり
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第八十三話 回廊ひのきしんその九
「そもそもなおすになることよ」
「癖性分を切ることですね」
「それで切ることわりもあるのよ」
おみちにはです。
「悪い因縁とかをね」
「そういうことですね」
「新一君のお家の因縁だってね」
「それ滅茶苦茶あったんですよね」
「聞いてるとそうよね」
「ひいお祖父ちゃんが酒乱で目が悪いせいで凄い劣等感があって」
また凄い人が出て来たと思いました、どうも新一君は中学までの学校の先生や同級生や親戚にそうした人が多いみたいです。
「外で喧嘩もして中でも」
「酒乱でなのね」
「暴れて、特に外で揉めて」
新一君は凄く嫌そうに言いました。
「先が尖った鉄パイプ持ってて」
「それで人殺せるわよ」
お話を聞いてすぐに思いました。
「竹槍でもそうなのに」
「そうですよね、普通の鉄パイプでも」
「殴ったら死ぬから」
かなり危険な凶器です。
「そんなの使ってたら」
「それを喧嘩で持ち出す様な人だったんです」
「無茶苦茶ね」
「それでその都度大叔母さん達が謝ってました」
「騒動を起こす度に」
「大叔母さん達から見たらお父さんですがね」
そうした関係になるとのことです。
「自分の父親のしたことで」
「謝って回ってたの」
「それでなんです」
その為にというのです。
「大叔母さん達も困ってました」
「ご自身の娘さんが謝ってたの」
「そうみたいです、いつも」
「それは恥ずかしいわね」
聞いていて心から思いました。
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