| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三百六十四話 賭けの攻勢その七

「寝るわ」
「そうされますね」
「そしてまた明日や、しかし明日でな」
「決着をつけないと」
「終わりや」
 そうだというのだ。
「引き分けになるわ」
「予想していなかったですね」
「そや、しかしな」
「そうなることもですね」
「充分にな」 
 それこそというのだ。
「有り得るわ」
「そうなれば」
「どないするか」
 ホイットマンは難しい顔で隣にいるホワイトバファローに述べた、腕を組み首を傾げさせてもいる。
「まああっちの連中ともな」
「仲がいいですね」
「起きた世界でもな」
「左様ですね」
「そやからな」
「仲良くやっていけますね」
「その筈や」
 こう話すのだった。
「絶対にな」
「それはいいことですね」
「しかいしほんまにな」
「勝敗をですね」
「つけるつもりやさかいな」
 だからだというのだ。
「明日で決着つかんで」
「引き分けで終わるなら」
「ほんまどうなるか」
「わからないですね」
「ああ、そやから明日な」
 残り一日でというのだ。
「決着つける様にな」
「全力を尽くしますね」
「そうするわ」 
 こう言ってだった。
 ホイットマンはガムを出して噛みはじめた、それからだった。
 自身の天幕に戻り寝た、そうして身体も心も休めたのだった。
 次の日も日の出から戦闘がはじまった、両軍激しく攻める。ボームは自らウルリクルミをヒュドラの形にして動かしつつ言った。
「列車砲も全てです」
「稼働させてですね」
「攻撃させますね」
「そうです」
 こう将兵達に告げた。
「今日決着がつかないと終わりです」
「だからですね」
「出せるものは全て出す」
「そうして戦ってですね」
「勝利を掴む」
「そうしますね」
「最後の一撃までです」
 それこそというのだ。
「出してです」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「全力を尽くして戦い」
「今日は勝ちますね」
「今日で勝ちます」
 ボームは兵士の一人の言葉をこう訂正した。
「むしろ今日で最後ですから」
「何としてもですね」
「勝ちますね」
「そうしますね」
「そうです、私も全力で戦いますし」
 ボーム自身もというのだ。
「打てる手を全て打って」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「最後まで戦い」
「勝ちますね」
「最後の最後に勝っていれば」
 今日そうしていればというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧