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金木犀の許嫁

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第三十四話 妹達への提案その十

「無駄遣いしないけれど」
「それでもなのね」
「用心してね」
「兄さんもです」
 白華も言ってきた。
「無駄遣いにはです」
「注意だね」
「はい」
 そうだというのだ。
「注意するよ」
「兄さんも無駄遣いしないですが」
「用心は必要だね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「ですから」
「注意するよ」
 佐京は妹に確かな声で答えた。
「お金のことは」
「そうして下さい」
「無駄遣いするとすぐになくなるから」 
 金はというのだ。
「子供の頃から言われてるし」
「そうですし」
「だからね」
「くれぐれもです」
 無駄遣いにはというのだ。
「注意してです」
「デートしてくるよ」
「そうしてきます」
「そう、そして」
 それにというのだった。
「楽しんでくるよ」
「私も気を付けていますし」
「お金のことは」
「借金なんて」
 それこそというのだった。
「絶対にです」
「しないことだね」
「借金をしますと」
 そうすると、というのだ。
「その時はよくても」
「後で返さないといけないから」
「利子もつきますので」
 だからだというのだ。
「尚更です」
「その分も返さないといけないから」
「ですから」
 そうなるからだというのだ。
「最初からしないことです」
「そうだね、ましてヤミ金なんて手を出したら」 
 そうすると、とだ。佐京も言った。
「とんでもないことになるからね」
「その時は」
「もうね」
「地獄ですね」
「借金地獄」
 佐京は一言で言った。
「それになる」
「そうですね」
「そうなったら」
「心中なんてお話もありますし」
「絶対にだよ」
 それこそというのだ。
「手を出さないことだよ」
「何があっても」
「俺もわかっているから」
 借金をすることの恐ろしさをというのだ。
「だからね」
「そうです、借金はしない」
「絶対に」
 こう妹に言った。
「何があっても」
「ましてやヤミ金はです」
「絶対に手を出さない」
「そうしないと駄目ですね」
「本当に」
 妹に真面目な顔で応えた。 
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