金木犀の許嫁
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第三十四話 妹達への提案その九
「治っていたらね」
「そうだったのね」
「そう、結核はね」
「本当にあと少し早く」
「織田作さんのことを思うとね」
そうすると、というのだ。
「長生き出来たらってね」
「思うから」
「結核は大嫌いよ」
「お姉ちゃんとしては」
「ええ、けれど今はね」
真昼はあらためて話した。
「治るから」
「若し感染してもなのね」
「その時はすぐに病院に行って」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「入院して」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「治るから」
「一年位よね」
「隔離されてね」
そうしてというのだ。
「大変だけれど」
「それでもよね」
「治るわ」
このことは事実だというのだ。
「だからね」
「それでよね」
「安心してね」
「死なないのね」
「流石に進行してね」
病状がというのだ。
「手遅れになったら駄目だけれど」
「早いうちなら」
「助かるから」
だからだというのだ。
「安心してね」
「わかったわ」
夜空は確かな声で答えた。
「それじゃあね」
「若しなったら」
「その時はね」
「すぐに入院してね」
「そうするわね、そして」
夜空はさらに言った。
「佐京君と二人で」
「ええ、難波にね」
「上本町の方に行って」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「織田作さんの場所に行ってね」
「そうしてくるわ」
「きっといいデートになるわ」
真昼は夜空ににこりと笑って話した。
「まさにデートする場所を巡るから」
「夫婦善哉の」
「そうだからね」
「夫婦で行く場所ね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「食べ過ぎには注意ね」
こうも言ったのだった。
「そうしてね」
「あっ、カレー食べて」
「それで善哉もだからね」
それでというのだ。
「そこはね」
「注意してね」
「楽しんでも食べ過ぎには注意して」
「そしてね」
そうしてというのだ。
「楽しんできてね、難波は色々食べる場所あるから」
「自由軒に夫婦善哉以外にも」
「だからね」
それでというのだ。
「何かと食べるかも知れないけれど」
「お金のある限り」
「そうなりかねないから」
だからだというのだ。
「本当にね」
「そこはなのね」
「注意して」
そうしてというのだ。
「食べ過ぎにはね」
「注意して」
「そしてお金にもね」
「無駄遣いには注意ね」
「夜空ちゃんお金にはしっかりしていて」
真昼は妹のこのことはよく知っていた、伊達にずっと姉妹としてずっとに一緒にいる訳ではないのだ。
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