神々の塔
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第八十一話 老子と孔子その十一
「僕等二人が軸になってや」
「トリッキーに攻めるのね」
「そうしよな、幾ら強くてもな」
「攻め方はあるわね」
「孔子さんでもな、しかし逆に老子さんはな」
彼はというと。
「トリッキーなんはや」
「得意ね」
「そや」
そうだというのだ。
「逆にな」
「効果がないわね」
「老子さんの時は逆に正攻法で戦うが」
「今回はトリッキーにね」
「僕等が軸になって攻めるで」
「わかったわ」
それならと頷いてだった。
実際に二人は孔子の周りを激しく動きつつ攻撃を仕掛けた、見れば孔子は確かに正攻法には強かった。
だがそれでもだ、トリッキーな攻撃には後れを取ってだった。
他の八人の攻撃に向かいつつも二人には戸惑いそこから敗れた、そしてこの階の最後の神霊老子にはだった。
正攻法で戦うとだ、彼にも想定より楽に勝てた。十人全員かなりのダメージを受けたが勝つことは出来た。
それでだ、芥川は言った。
「勝ったさかいな」
「これでよしやね」
「ああ、ほんまな」
「これでまた上の階に行けるね」
「先にな」
「その通り、よくぞわし等に勝った」
老子も笑顔で言ってきた。
「では宿屋で休んでからな」
「先に進むことですね」
「そうするのじゃ、先はまだあるが」
それでもというのだ。
「これよりもな」
「先に行って」
「そして世界を救う力を手に入れよ」
「そうします」
「そしてじゃ」
老子はさらに言った。
「もう一つある」
「もう一つ?」
「世界を救うことは難しい」
老人は芥川に話した。
「それは事実じゃ、しかし難しくともな」
「出来ますね」
「難しいと不可能は違う」
決してというのだ。
「それはな」
「わかっておくことですね」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「よいな」
「はい、そのことをです」
「これからも肝に銘じてな」
「世界を救います」
「そこじゃ、今お主は世界を救うと言った」
老子は芥川の今の言葉に笑顔で言った、指差しはしなかったが言葉でそうしたものであった。それでさらに言うのだった。
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