ドリトル先生と奇麗な薔薇達
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第十幕その十
「そうなるよ」
「そうだよね」
「そうならない筈がないわね」
「絶対に」
「そうだよ、本当にね」
先生は心から言いました。
「地獄に堕ちるしかないよ」
「そういえば仏教の地獄って凄いね」
ここでこう言ったのは老馬でした。
「その種類がね」
「大きく分けて八つあってね」
「その八つの地獄も八つに分かれてるね」
オシツオサレツも言います。
「合わせて六十四」
「内容も色々だね」
「針の山や血の池があって」
そしてと言うトートーでした。
「獄卒もいてね」
「お仕置きの仕方も色々で」
「バリエーション豊富なのよね」
チープサイドの家族もお話します。
「仏教の地獄って」
「日本のそれはね」
「よくあんなの考えつくよ」
ダブダブはしみじみと思いました。
「驚く位だよ」
「全くよ」
ガブガブはダブダブの言葉に頷きました。
「そう思わざるを得ないわ」
「壮絶だね」
チーチーはしみじみと思いました。
「仏教の地獄は」
「キリスト教の地獄も凄いけれどね」
ジップはこちらの宗教のお話をしました。
「神曲にあった」
「そうそう、ダンテのね」
ホワイティはジップに同意しました。
「あちらも凄いね」
「けれど日本の仏教は遥かに多くて色々あって」
それでと言うポリネシアでした。
「絶対に堕ちたくないとも思うわ」
「若し堕ちたら」
先生は言いました。
「必ず後悔するね」
「こんなことになるなら」
「いいことをしておけばよかった」
「そう思うわね」
「そうだよ、人はどうしても悪いこともするよ」
こうも言う先生でした。
「何かとね」
「そうだよね」
「僕達もそうだよね」
「生きていると食べて命を貰うし」
「世の中何かとあるからね」
「だからね」
そうしたものだからだというのです。
「生きているとね」
「罪を犯すね」
「悪いことをするね」
「それは避けられないね」
「けれどいいことも出来るから」
悪いことをしてしまってもというのです。
「だからね」
「善行を積む」
「そのことも大事だね」
「そうだね」
「そう、善悪は両方あって」
人の行いにはです。
「いいことも多くね」
「行う」
「そうあるべきだよね」
「人は」
「そして僕達も」
「どんな宗教でもね、けれどね」
それでもというのです。
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