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夢幻水滸伝

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第三百六十三話 時は止まらないその十五

「テントに戻るで」
「それで休まれますね」
「そうするわ」
 自身の神具に微笑んだまま話した。
「これからな」
「わかりました、それでは」
「ああ、しかしな」
 自分のテントに向かって歩きつつだ、トウェインはこうも言った。サンダーバードも歩いているがやはり飛ぶ方が様になっている。
「一つ思うんはな」
「何でしょうか」
「いや、わいも他の星のモンもな」
 ここでは苦笑いで話した。
「ああした話はな」
「無縁と言われるのですね」
「こっちの世界でもな」
「今のお言葉は」
 サンダーバードも察して言った。
「起きた世界でもですね」
「そや、同じでな」
「縁がないですか」
「アメリカの星のモンやとフォークナーにフィアンセがおって」
 彼にはそうした縁があるというのだ。
「日本の幸田は麻友ちゃんと付き合っててな」
「幼馴染み同士で」
「そしてインファンテもな」
 キューバの星の者である彼もというのだ。
「付き合ってるけどな」
「そうですね」
「しかしな」
 そうした者もいるがとだ、トウェインは苦笑いのまま話した。
「全体的にな」
「無縁ですね」
「殆どのモンがな」
「恋愛については」
「わい含めてな」
「そうなのですね」
「ああ、何かそうした話はな」
 どうにもという口調で言うのだった。
「ほんまな」
「無縁で」
「困ってるわ」
「そうなのですね」
「忙しいせいもあるけどな」
「特にこちらの世界では」
「ああ、そやけどな」
 それでもというのだった。
「誰かいたらって思う時はな」
「ありますね」
「星のモンによっては」
 苦笑いをさらに強めて言った。
「毎日酒池肉林のな」
「欧州のあの方ですね」
「そうした極端なのもおるけどな」
「太平洋やアフリカにはですね」
「地下世界でもな」
「恋愛は無縁ですね」
「そや」 
 まさにというのだ。
「これがな」
「そしてそのことがですね」
「残念とな」
 その様にというのだ。
「思う時があるわ、結婚出来るんやけどな」
「星の方は」
「この世界は十六歳から結婚出来るからな」
 法的にも問題なくというのだ。
「それでや」
「結婚出来ますね」
「そや」
「それでは」
「相手がおったらな」
 トウェインは即座にこの言葉を返した。 
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