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ドリトル先生と奇麗な薔薇達

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第十幕その二

「茎や棘、葉はエメラルドに」
「緑だとエメラルドですが」
「エメラルドも奇麗ですが」
「そこに別の宝石があるとですか」
「そのエメラルドに加えてです」
 さらにというのです。
「別の宝石もです」
「映えるのですね」
「一つよりも二つ、それも個性が違うもの同士なので」
「確かに映えますね」
「そうですね、ですから」
 それでというのです。
「別の宝石も。そしてその宝石は」
「何でしょうか」
「サファイアはどうでしょうか」
 この宝石だというのです。
「茎をエメラルドにしまして」
「基本になるですね」
「そちらにして」
「葉や棘は、ですか」
「サファイアを考えますが」
「そうですね、面白いですね」 
 エンベルグさんは唸って応えました。
「エメラルドだけでないとは」
「サファイアも加えると」
「サファイアはです」 
 この宝石のことをです、先生はお話しました。
「青で緑とは違う個性で」
「それで、ですね」
「お互いに個性を主張してしかもです」
「相性がいいですね」
「同じ寒色で」
 そちらに入る色でというのです。
「相性も良く一緒にあって調和も取れるので」
「一緒にあっていいですね」
「そうですね」
「いいと思います」
 エンベルグさんは先生に笑顔で応えました。
「私も」
「そう言って頂けますか」
「想像するだけで奇麗ですね」
「エメラルドとサファイアとなりますと」
「まことに」
「そうですね、そして薔薇のお花は」
 先生は薔薇の主役のお話もしました。
「白はダイアモンド、赤はルビーを」
「その二つの宝石を、ですか」
「どうでしょうか」
「そちらもいいですね、むしろです」
 エンベルグさんは先生に言いました。
「赤はもう」
「ルビーですね」
「他の宝石はないですね」
「赤い宝石は他にあっても」
「薔薇となりますと」
「まさに」
 それこそというのです。
「ルビーですね」
「他の宝石は考えられないですね」
「赤薔薇はルビーに例えられることもあるので」
「他にはないですね」
「そうですね、そして白薔薇は」 
 先生はこちらのお話もしました。
「ダイアモンドです」
「その宝石もです」
「他にはないですか」
「白薔薇となれば」
 まさにというのです。
「他にないですね」
「こちらも」
「はい、ダイアモンドの輝きは」
「白薔薇に合います」
「では」
「白薔薇はダイアモンドにしまして」
 先生はお話しました。 
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