神々の塔
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八十話 最強の天使その七
「餓鬼やな」
「そやね、餓鬼やね」
綾乃もそうだと答えた。
「ほんまに」
「餓鬼は卑しい」
「何と言っても」
「餓鬼になったら」
「どうにもならへんね」
「犬畜生というけど」
「生きものは別に」
これといってというのだ。
「卑しくないけど」
「ちゃんとした考えがあってな」
「本能は強いけど」
「それでもな」
しかしとだ、中里は言い切った。
「餓鬼はな」
「ひたすら卑しいね」
「そや、浅ましくてな」
「常に餓えてて」
「自分を振り返ることもない」
「そんな存在やね」
綾乃はまさにと言った。
「どうして餓えと渇きに苦しんでるか」
「それはな」
何といってもというのだ。
「その卑しさと浅ましさ故で」
「苦しむ様になって」
「自業自得でな」
そうであってというのだ。
「ほんまな」
「あかんね」
「そや」
まさにというのだ。
「餓鬼はな」
「その餓鬼になったら」
「もう戻ることは難しいわ」
「人に戻ることは」
「ほんまな」
実際にというのだ。
「そうやさかいな」
「なったらあかんね」
「最後や」
「それが餓鬼やね」
「あんな酷い存在はないわ」
中里は餓鬼についてこうも言った。
「ほんまな」
「卑しくて浅ましくて」
「見ていて醜い」
そうしてというのだ。
「どうにもならん」
「そうした存在やね」
「普通に暮らしてたらや」
「餓鬼にはならへんね」
「そやけどそうした生き方をしてて」
醜く卑しく浅ましいそれをというのだ。
「そうしていたらな」
「餓鬼になるね」
「神霊さんになるなんてな」
それこそというのだ。
「全くな」
「ないね」
「そや」
こう綾乃に話した。
「ほんまな」
「そやね」
「何でかな」
中里は首を傾げさせて話した。
「そうした屑、餓鬼になった奴こそな」
「そうした人達こそやね」
「自分を偉いと思って」
「餓鬼になってるとも思わへんね」
「努力もせえへんで」
そうであってというのだ。
ページ上へ戻る