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ドリトル先生と奇麗な薔薇達

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第九幕その十二

「欧州ではね」
「かなり複雑で」
「それで薔薇戦争の頃のイングランドは」
「その中でもですね」
「あまりもわかりにくいから」
 そうした状況だからだというのです。
「本当にね」
「わかりにくいですね」
「僕も理解するのに苦労したし」
「僕もです」
「わかりにくいって言ってもね」
 それでもというのです。
「当然だよ」
「そうですね」
「あんなわかりにくいものはないからね」
 真顔で言う先生でした。
「本当にね」
「その通りですね」
「そしてその戦争の後でね」
「先生先程お話していましたね」
「うん、白薔薇と赤薔薇がね」
「一つになりましたね」
「対立する二つの薔薇がね」
 それがというのだ。
「戦争も終わって」
「そうなりましたね」
「そうだよ、そう考えるとね」
「白薔薇と赤薔薇が一緒にありますと」
「いいことだよ」
「平和の象徴でもありますね」
「夫婦愛の象徴でもあってね」
 それと共にというのです。
「そう考えるといい閃きかな」
「僕もそう思います」
 トミーは微笑んで答えました。
「とても」
「そう言ってくれるんだね」
「そうです」94
「朝ご飯の時は何も思わなかったんだ」
 その時はというのです。
「別にね」
「薔薇と関係のあるメニューじゃなかったですしね」
「メザシと若布ののお味噌汁にね」
「梅干しと納豆で」
「白いご飯でね」
「別にですね」
「薔薇関係ないからね」
 そうしたメニューだったからだというのです。
「本当にね」
「薔薇を連想しませんね」
「うん、けれどね」
 それがというのです。
「食べて身体も頭も活性化して」
「考える様になって」
「そうなってだよ」
 それからというのだ。
「薔薇のことを考えだして」
「閃かれましたね」
「そうなったよ」
「そうなんですね」
「頭もね」
「起きられてですね」
「朝ご飯を食べないと」
 そうしないと、というのです。
「すぐにはね」
「回らないですね」
「だからね」
 そうであるけれどというのです。
「何といってもね」
「朝起きたら」
「まずはね」
「ご飯を食べることですね」
「食事は欠かせなくて」
 そうであってというのです。
「それでね」
「朝ご飯もですね」
「しっかり食べないとね」
「頭も働かないですね」
「身体もね」
 こちらもというのです。
「そうなるからね」
「だからこそですね」
「食事はしっかり食べて」
「朝ご飯もですね」
「そうだよ、僕だけじゃなくて」
「皆ですね」
「ご飯はしっかりと食べることだよ」
 こう言ってそうしてでした。
 先生はエンベルグさんにその閃きをお話することにしました、閃きは朝にご飯を食べた後で出たのでした。 
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