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八条学園騒動記

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第七百六十六話 沙羅双樹の花その十二

「私もです」
「今の様にですね」
「言います」 
 そうだというのだ。
「まことに」
「そうですか」
「そう言われますか」
「法律に触れずとも」
 そうした行為を悪事と定義するならというのだ、おおむね悪事というものは法律に触れるかどうかで判断されるものだ。
「しかしです」
「醜く浅ましい」
「そして卑しい」
「そうした行いはありますね」
「確かに」
「財布を落としたと嘘を吐いて」
 その輩の行いの一つをだ、セーラは話した。
「親戚からお金を貰う」
「借りるのではなく」
「そうすることはですね」
「確かに卑しいです」
「浅ましく醜いです」
「こうした行いばかりして」
 そうしてというのだ。
「働かずしかも自分のことにはです」
「お金を使う」
「左様ですね」
「いい服を着て」
 そうしてというのだ。
「いい煙草を吸う」
「そうした暮らしですか」
「嘘を吐いてお金を貰って」
「そうした生活だったので」
 それでというのだ。
「餓鬼になりました、法律に触れずとも」
「卑しい行いを繰り返すと」
「それはそれで悪ですね」
「餓鬼は感じでは『餓えた鬼』と書きますね」 
 セーラは今度はその表現の話をした。
「鬼ですね」
「中国では幽霊となりますが」 
 ラメダスが応えた。
「日本では違いますね」
「日本では魔物ですね」
「左様ですね」
「どちらも意味は通じますね」
「餓えた霊か餓えた魔物」
「この場合の霊は怨霊です」
 そうなっているというのだ。
「普通の霊魂ではなく」
「怨霊ですね」
「常に餓えている」 
 そうしたというのだ。
「卑しいです」
「そうした存在ですね」
「魔物であってもです」
 日本の表現そして感覚ではというのだ。
「やはりです」
「常に餓えていて」
「同じです」
「浅ましく醜く卑しい」
「そうした存在です」 
 まさにとだ、セーラは言い切った。
「そうなのです」
「結局は同じですね」
「怨霊と魔物どちらが酷いかはです」
「底は議論がありますね」
「ですがどちらにしろです」
「その行いの結果そこまで堕ちた」
「そうしたです」 
 まさにというのだ。 
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