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神々の塔

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第八十話 最強の天使その五

「ほんまに」
「煩悩を捨てて悟りを開くのは」
「どれだけ難しいか」
「わからへん位や」
「そやね」
「ほんま人が悟りを開くのは難しい」
 中里は深く考える顔で述べた。
「そのことをな」
「意識するばかりやね」
「ほんまな、ただ」
「ただ?」
「人も修行を重ねたら」
「そうしたらやね」
「何時かはな」
 それは今でなくともというのだ。
「悟りを開ける」
「そうやね」
「きっとな」
「何度も何度も生まれ変わって」
「その中で徳を積んで」
「修行をしていったら」
 そうすればというのだ。
「悟りを開けるわ」
「そうやね」
 綾乃も確かにと頷いた。
「そうなるね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「人は諦めへんでな」
「悟りを開きたいなら」
「修行をすることや、そうしたら」
「何度も生まれ変わりながら」
「きっと悟りを開けるわ」
「そうなるね、仏教の教えやとね」
「そうなるわ」
 中里は考える顔のまま話した。
「仏教やとな」
「仏教の教えやとそうで」
「他の宗教でもな」
「仙人さんになったり」
「聖人さんにもなるわ」
「それぞれに宗教でちゃうね」
「徳、善行を積んでなるものはな」
 それはというのだ。
「ほんまな」
「それはそやね、けど修行を積むことは」
「努力することはな」
「ええことやね」
「そのこと自体はな」
「そやね」
 綾乃も確かにと頷いた。
「どんな住協でも」
「僕等も悟りは開けへんでも」
「自分を高めることやね」
「そうなるわ」
「悟りを開けへんでも」
「すぐにな、けれどな」  
 そうであってもというのだ。
「何時かはな」
「何度かの転生で」
「それが何十男百になってもな」
 転生を繰り返す数はというのだ、仏教では輪廻転生はそれこそ涅槃に至るまで幾らでも繰り返されるのだ。
「しかしな」
「やがてはやね」
「悟りを開けるわ」
「そやね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「ほんまな」
「諦めへん」
「そうなるわ」
「それは他のことでもやしね」
「ずっとやっていくとな」
「それが何かになるし」
「諦めたらあかんな」
「間違ってることはあらためることで」
 それと共にというのだ。 
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