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神々の塔

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第八十話 最強の天使その四

「死んだとや」
「あの人は言いはったな」
「そや、北欧と科の神々をな」
「意識してはったな」
「そして人が己を高め」
「成長して」
「そうしてや」
 そのうえでというのだ。
「人を超えてな」
「超人になる」
「そのことをな」
「考えてはったな」
「超人になり」 
 そしてというのだ。
「さらにや」
「神霊に至る」
「そうなることをな」
「あの人は考えてはったか」
「そうかもな、キリスト教は神を絶対とする」
「そや」
 シェリルもその通りだと答えた。
「もう神に至ることはな」
「出来へんな」
「聖人に列せられても」
 キリスト教では神は唯一の存在であるのでこうした存在があるのだ、天使と同じく神に準じる存在である。
「神にはなれへん、しかしな」
「キリスト教やなくて」
「他の考えを持って」
「それが超人思想やな」
「悟りを開くなり超人になるなりしたら」
 そうなればというのだ。
「人は心が人を超えて」
「神霊さんになれるか」
「そうかもな、しかしな」
 ここでリーはこうも言った。
「容易やない」
「悟りを開くなんて」 
 綾乃はそれこそと言った。
「ほぼ不可能やね」
「僕等やとな」
 中里もどうかという顔で言った。
「もうな」
「無理やね」
「そう思うしかないな」
「煩悩を絶って涅槃に至る」
「そうするなんてな」
「ほんまな」
 それこそというのだ。
「どれだけ難しいか」
「途方もないな」
「お釈迦さん位やないと」
「ゴータマ=シッダルタさんな」
「さもないとやね」
「無理やな」
「それこそ今の人生から」
「何十回も生まれ変わって」
「その中で徳を積んで」
 そうしてというのだ。
「次第に悟りに近付いて」
「その遥か先にな」
「悟りを開くもので」
 そうであってというのだ。
「今のうち等やと」
「無理はな」
「煩悩なんて」
 それこそというのだ。
「どれだけあるか」
「わからへんな」
「そうやさかい」
「悟りを開くなんてな」
「とてもやね」
「そやな」
 中里も確かにと頷いて答えた。
「ほんまな」
「煩悩はどんな人にもあって」
「もうそれで動く様なもんやしな」
「そう思ったら」
 それこそというのだ。 
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