神々の塔
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第八十話 最強の天使その一
第八十話 最強の天使
メタトロンと戦うことになる、そのことを自覚してだった。
さしものアレンカールも苦笑いになってだ、こう言った。
「いやほんま遂にって感じね」
「最強の天使さんと戦うな」
「ミカエルさんでもね」
芥川に両手を自分の頭にやった状態で歩きつつ言葉を返した。一見無防備な様子だがよく見れば気は張り詰めている。
「そう思ったけれど」
「今回はやな」
「もうね」
「そのミカエルさん達の時以上にやな」
「思ってるわ」
まさにというのだ。
「ほんまにね」
「やっぱりクリスチャンやとな」
「そう思うのよ」
「そやねんな」
「ちなみにあたいカトリックで」
アレンカールは宗派の話もした。
「中南米組はね」
「カトリック多いな」
「共産圏のキューバのインファンテちゃんもよ」
その彼もというのだ。
「カトリックでね」
「信仰心あるな」
「そうよ」
「教会にも行くな」
「この世界でもね」
「そやな」
「それであたいもよ」
アレンカール自身もというのだ。
「これでね」
「カトリックでやな」
「信仰心あって」
そうであってというのだ。
「天使さん達と戦うと思うところあって」
「今回は特にやな」
「ええ、最強の天使さんと戦う」
「そのことに思うところあるな」
「もう試練としてはね」
そう考えると、というのだ。
「かなりよ」
「思うところあるな」
「全力で向かって」
そうしてというのだ。
「そしてね」
「勝つな」
「そうするわ」
「天使さんは常に人の味方で優しいか」
メルヴィルはこう言った。
「それはな」
「そうとは限らへんからな」
トウェインはこう続いた。
「決して」
「そやからな」
「そや、ほんまな」
このことはというのだ。
「そこはちゃうからな」
「天使さん達は神にお仕えしてる」
「正義であるな」
「絶対のな」
「そやから神が思われる通りに動く」
「若し神が人間を滅ぼすなら」
そう考えると、というのだ。
「人を攻撃するわ」
「実際に黙示録やとそうやしな」
ヨハネの黙示録である、この書はキリスト教では公式のものとされていないが長い間伝えられよく知られている。トウェインはこのことを承知してメルヴィルに話しているのだ。
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