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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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義妹との関係

 
前書き
ブウ編からしばらくしてからですね 

 
ビーデルは世界を救った英雄…と言うことになっているミスター・サタンの娘である。

正直、全ての真実を知った今では父親のしたことは恥ずかしく、それも神様やその上位存在まで知っているのだ。

何せ今より幼かった恋人の悟飯とその姉の悟林の手柄を奪ったのも同然で、ブウとの闘いでも大して役に立てていないであろうサタンが世界を救ったと言うのは正直居心地が悪い。

しかし、あの戦士達が名声なぞ望まないのはビーデルも理解しているし、サタンが許されているのは善のブウを改心させたのもあるし、戦士達が素性を隠すためのスケープゴートとして便利だからなのもある。

だが、ブウとの闘い以降も悟飯達と交流が持てるのはサタンのおかげでもあるのだ。

「やあ、ビーデルさん」

「あ、どうもお姉さん」

「悟飯ちゃんの相手は大変だろうけど、まあ頑張って。口に合うかは知らないけど」

学生であるビーデルは正義の味方だけでなく勉強もしなくてはならない。

成績優秀な悟飯に教えてもらっているのもあってビーデルの成績も以前より上がっていた。

悟林は昼食を出し、孫家と遊びに来たトランクスを含めたサイヤ人勢が猛スピードで食べ始める。

あまりの速さに食べる前からお腹いっぱいになりそうだが、食べないと午後が保たないので早速卵焼きを一口。

「…美味しい…!」

チチの手料理も美味しいと感じたが、悟林の手料理も美味だった。

裕福な家庭ゆえにコックを雇っているが、そのコックよりも遥かに美味しく感じる。

特に悟林は食材の質が現世より下のあの世で美味しい手料理を用意していたのでかつての生前より料理の腕が向上していた。

「良いなぁ、悟天は。毎日おばさんや悟林さんの手料理食べられてさ。悟飯さんだけじゃなくて悟林さんみたいに料理上手で可愛くて優しくて格好良いお姉ちゃんまでいるのずるいや」

トランクスはビーデルよりも数段上の裕福な家庭育ちでコックも相応の人物を雇っているが、そんなトランクスすら唸らせる程の美味さだ。

こんな美味い手料理を当たり前のように食える親友が少し妬ましい。

「はは、トランクス君。姉さんのこと褒めすぎだよ、姉さんは下手したら宇宙で一番怖い人なんだからぁっ!!?」

轟音と共に勢い良く吹き飛ばされていった悟飯にチチは夫同様にデリカシーに欠けてしまった息子に溜め息を吐いた。

「今のは悟飯が悪いだ」

「ああ、今のは悟飯がわりいな」

流石の悟空もあれはまずいと思ったらしく、食事を終えたら探しに行くかと溜め息を吐いた。

「それにしてもお姉さんって料理上手なんですね。私こんな美味しい卵焼き初めて食べました!」

「だよねぇ!おばさんの卵焼きも食べてみなよ!!こんなの当たり前のように食えるなんて羨ましいよね!!」

トランクスにチチが作った卵焼きを勧められてビーデルも食べるとこちらも本当に美味い。

「そうよね、おばさんとお姉さんの手料理に慣れたら他の料理が食べられなくなりそう…」

時折恐竜の肉やらが食卓に並ぶことがあるが、慣れれば本当に美味だ。

「だろ?チチと悟林の作る飯は美味えからなぁ」

悟空も美味しそうに料理を頬張っていき、チチも嬉しそうに笑った。

「あ、あの!おばさん!お姉さん!私に料理を教えてくれませんか!?あ、あの…その…悟飯君に…」

それを聞いたチチと悟林とトランクスはニヤリと笑った。

「お母さん、これは手伝ってあげないとねー」

「だなー」

「良かったなー、悟天。お前にお姉ちゃんが増えるぞ」

「え?そうなの?」

「?」

悟天と悟空は不思議そうに全員を見渡す。

「うんうん、あのデリカシーが欠片もない愚弟には勿体ないくらいだけど将来の義妹のために一肌脱ぎますか!」

「あ、ありがとうございます…」

義妹と呼ばれて恥ずかしそうにしているビーデル。

「なら、午後のおやつ作りを手伝って貰えるかな?」

「は、はい!」

そしておやつの時間となって基本的に孫家はサイヤ人が満足するための量を確保するのは自給自足が基本である。

外食なんてしようものならとんでもない金額となってしまう。

悟林はビーデルを連れてパオズ山に自生している果物を採取していく。

「今日はフルーツをたくさん使ったパンケーキを作るから、悟飯の分はビーデルさんお願い出来るかな?」

「え?私が悟飯君の分を?」

「うん、いくら悟飯が机から丸1日離れない勉強マニアの変態とは言え流石に彼女さんからの手料理には抗えないでしょ」

「そ、そうですか…」

双子故の遠慮の無さからなのか悟飯に対して辛辣な発言にビーデルは顔を引き攣らせながら笑う。

「ああ、安心して。もしビーデルさんの手料理に反応しないで勉強に夢中になるようだったら私が直々に地獄送りにしてあげるから安心してね?」

悟林は父方の祖母に似ていると聞いたことがあるが、美人の怖い笑みにビーデルは思わず引いてしまった。

特に双子の弟を躊躇うことなく地獄送りにするのは怖すぎる。

「さあて!美味しいパンケーキ作るよーっ!」

大量の果物を持って孫家に戻るとパンケーキを作ることになり、ビーデルに悟飯の分を任せて全員分のケーキを作り始める。

テキパキと超スピードで動いてケーキを作っていく悟林にビーデルは思わず手を止める。

「ビーデルさん、早くしないとおやつの時間に間に合わないよ」

「は、はい!」

ビーデルもパンケーキ作りを始めるが、やはりお嬢様だけあって慣れていないのか少しぎこちないが、悟林がアドバイスをして進めていく。

チチはゆっくりと既に用意されているおやつを味わって将来の義姉妹のやり取りにニッコリであり、悟空と悟天とトランクスの腹はペコペコである。

「良い匂いするなぁ」

「うん」

「悟林、オラもう腹ペコペコだ~…」

「はいはい、もう少し待っててねー」

パンケーキの塔を作り、更に生クリームにたくさんの果物を乗せ、シロップをかけるとまずお客様のトランクスから。

「はい、トランクス君」

「え!?俺から良いの?」

「お客様なんだから遠慮しないの。2人はもう少し待っててね」

涎が止まらない悟空と悟天の似たもの親子に悟林は苦笑し、さっさと悟空と悟天の分を作って自分とビーデルの分も焼いてしまおう。

悟空と悟天にパンケーキが置かれた瞬間、何枚か掻き消えた。

「んめーーーっ!!」

「美味しいっ!!」

バクバクとパンケーキを頬張る2人に悟林は優しく微笑み、悟飯が来たので悟林は余った林檎を悟飯に差し出す。

「はい、悟飯の分ね」

「姉さん、流石の僕もここまであからさまだと怒るよ?」

「馬鹿じゃないの?お前にはこれで充分だよ、お前は将来のお嫁さんの手料理でも食べてなよ。ねえ、ビーデルさん?」

「お、お嫁さんだなんて…」

丁度良いタイミングで出来たようで悟林の物と比べて少し形は悪いが、それでも悟飯のために一生懸命に作ったのが分かる。

悟林の言葉に顔を真っ赤にして悟飯のおやつを差し出すビーデルに鈍感な悟飯でも照れてしまう。

「ねえねえ、兄ちゃん顔真っ赤だよ!」

「止めとけよー悟天、あんまり年上の人をからかうもんじゃないぞー」

「そうだなー、若いって良いよなぁ」

「悟飯ももう少し気の利いたことが言えりゃあ良いのに…ビーデルさんも可哀想だべ」

「お母さん、ヘタレの悟飯ちゃんにそんなこと言えるわけないでしょ?そんなことが出来るならもっと早く進展してるんだよ全く情けない愚弟だよ全く」

「悟天!トランクス君!父さんに母さんに姉さんも!!」

「………」

言いたい放題の外野に悟飯は顔を真っ赤にして怒鳴り、ビーデルは顔を真っ赤にして俯いていた。

因みにビーデルお手製パンケーキは美味しかったとのこと。

悟飯とビーデルが交際してからしばらく経ち、悟林とビーデルはそれなりに仲良くなれたと思っていたのだが、グレートサイヤマン2号と成り果ててしまったビーデルとちょっぴり距離を取り、元凶の悟飯を上空に殴り飛ばして“汚ない花火”にしてやった。 
 

 
後書き
グレートサイヤマン2号の衣装って自前?それとも悟飯がブルマにお願いした? 
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