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スーパー戦隊総決戦

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第七話 重要な手掛かりその七

「あれを手に入れに行くか」
「そしてその前にはまずだ」
「そういうことだな」
 ガオシルバーとゲキチョッパーも鋭い声を出す。
「この連中を倒してだ」
「行かせてもらうからな」
「生憎だけれどこっちにも都合があってね」
「そういうことよ」
 ウェンディーヌとフラビージョが背中合わせになって前を見据えて言う。
「そう簡単には倒されるわけにはいかないから」
「逆にやらせてもらうわよ」
「よし、来やがれ!」
 ゲキレッドがその独自の獣そのものの構えから告げる。
「ガシガシ倒してやるぜ!」
「では貴様の相手は俺だ」
 サンダールが前に出て剣を抜いてきた。
「思う存分相手をしてやる」
「それではだ」
「我等もだ」
 ヴァッフォとミゲラも前に出る。
「思う存分戦わせてもらう」
「我等の為にだ」
 こうして大阪の道頓堀での戦いがはじまった。食い倒れやずぼら屋、蟹道楽のその独特の看板を前に彼等はそれぞれ武器を手に戦う。戦闘員達も出し激しい戦いになっていた。
「ふん!」
「何の!」
 デカイエローはサキュバスの右手から繰り出した剣の横からの一閃を銃で受け止めてみせた。
「惜しかったわね」
「また腕をあげたというのかしら」
「そうかもね」
 デカイエローの声は笑っていた。そのうえでの返答だった。
「それもね」
「しかし私も」
 だがここでサキュバスも言う。
「三回目だ。負けるつもりはない」
「またデリートされたいのかしら」
「生憎だけれどそのつもりはないわ」
 一旦後ろに跳んでそこから回し蹴りを放つ。しかしそれはあえなくかわされてしまった。デ化イエローはやはり強くなっている。
「またね」
「そうよ、何度でもかわして」
 今度はデカイエローの番だった。すぐにかがんでそこから足払いだ。
 だがサキュバスは上に跳んでかわしてみせる。彼女もさるものだ。
「今のを!」
「そっちが強くなったのと同じように」
「貴女もだというのね」
「そうよ」
 まさにその通りだと。その顔に不敵な笑みを浮かべながら着地したのであった。そのうえでまた言ってみせたのである。
「その通りよ。あの世で随分と修業させてもらったわ」
「あの世で」
「そういうことよ。わかったわね」
「それならよ」
 デカイエローは足払いからすぐに起き上がった。そのうえでまた言うのであった。
「こっちも正式にジャッジメントさせてもらうわ」
「二度死んだ相手にそれができるのかしら」
「生憎だけれどジャッジメントは何度でも出せるのよ」
 こう返すデカイエローだった。
「アリエナイザー以外にもね」
「言っておくけれど」
 しかしここで、だった。サキュバスは不意に不敵な笑みになって言うのであった。
「私達はもう犯罪行為に興味はないわ」
「何ですって!?」
「まずは聖杯を手に入れる」
 そうするというのである。
「それから私達の世界を作るから」
「私達の世界を?」
「そうよ。どうも七本槍やガイアークの連中と気が合ってね」
「それは意外ね」
「悪党同士というわけじゃないわね」
 それは違うと。サキュバス自身もわかっていることだった。
「元々相性がよかったみたいね」
「相性が」
「それでなのよね。あの連中と一緒だと楽しくやれるわ」
 こう話すのである。
「ずっとね」
「それなら今は惑星破壊や虐殺はしないのね」
「もうそんなことに興味はないわ」
 言いながら攻撃を繰り出す。デカイエローはそれを受け続ける。
「もうね」
「変わったというのかしら」
「世の中は面白くおかしくよ」
 確かにであった。かつてのサキュバスとは違っていた。それは明らかだった。 
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