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無垢

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第二章

「それだけではないですよ」
「というと。
「他の色々な奇麗なものもです」
「知っていくのね」
「はい、そして無垢なままの部分もです」
「あるのね」
「そうではないでしょうか。汚れきることはです」
 そこまでなることはというのだ。
「そうはないです。色々奇麗なものも備わって」
「無垢なままの部分もなのね」
「人は備えるのでしょう」
「そうなのかしら」
「はい、ですから」
 それでとだ、マスターは私に話した。
「悲観することはです」
「ないのね」
「そう思います」
「そうだといいけれどね」
 私はまさかと思って少し乾いた苦笑いになった、そしてだった。
 カクテルを飲んでいった、それが終わってから部屋に帰ってシャワーを浴びた。ラフな部屋着に着替えてだった。
 テレビを付けた、今好きなドラマを観たが観ている間だ。
 色々登場人物の心理や行動に思った、真面目だったり熱血だったり友達想いだったり一途だったりだ。
 努力したりひたむきだったりだ、そして悪意や利己もあった。そして。
 純粋なものもあった、その色々なものがある一時間が終わってだ。
 私は来週また観ようとテレビのチャンネルを消した、そうして歯を磨いて寝ようと洗面所に向かった。
 そこで歯を磨いたがここでだった。
 私はバーでマスターに言われたことを思い出した、生きていて付くのは汚いものだけじゃないと。
 奇麗なものも一杯付くとだ、真面目さや熱血、友情や一途さ、努力にひたむきもだ。そして純粋さ。
 純粋無垢という言葉を思い出した、それは誰でも何かに対して持っている。一途とも通じると思った。
 私は歯を磨きつつ思った、私は今も無垢なのではないかと。それを持っているという意味で。
 持っているから純粋さがわかっていいと思える、そうではないかと。そう考えてわかったと感じてだった。
 私は歯を磨きつつ笑顔になった、そうしてだった。
 歯磨きを終えると笑顔になった、そのうえでベッドに入った。すると朝までよく寝られた。目覚めも非常にいいものだった。


無垢   完


                  2024・2・28 
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