昔は夏だけだった

「もう水着のグラビアは絶対にあるし」
「コンサートや握手会と一緒ですね」
「下着だってね」
「今は普通で」
「季節に関係なくね」
「使われますね」
「そして女優さんも声優さんも」
　山田は話を続けた。
「コスプレイヤーさんもアナウンサーさんも」
「水着や下着になれば」
「極論すれば刺激的な姿になれば」　
　その時点でというのだ。
「使われるよ」
「そうなりますね」
「そしてね」　
「そして？」
「今話している彼女もね」
「椎葉晃子ちゃんですね」
「彼女もね」
　小規模の会議室の中で向かい合って座っている桐生に話した。
「やがてはね」
「使われますか」
「そうなるよ」
「あの、アニメの仕事をしていて」
　桐生はそれでと話した。
「担当のキャラがサービス回とかで」
「水着になるとだね」
「あと作品によっては普通に下着も出て」
　そうなりというのだ。
「尚更です」
「使われるな」
「現に彼女が担当のキャラで凄い胸とスタイルのキャラいまして」
　それでというのだ。
「水着になっていて」
「サービス回でか」
「やっぱりです」
「使われているな」
「三次元だけじゃないですからね」
　桐生は笑って話した。
「使われるのは」
「二次元もだな」
「はい」　
　そうだというのだ。
「普通に」
「そうした漫画もアニメもゲームもあるしな」
「世の中には」
「それだとな」
「キャラもですね」
「使われる、それを止めることなんてな」
　それこそというのだ。
「誰が出来るか」
「出来ないです」
「誰にもな」
「そうですね」
「だからだ」
　それでというのだ。
「椎葉ちゃんはな」
「今は自分の持ちキャラが使われて」
「これからはな」
「本人さんもですね」
「そうなるかもな」
「両方ですか」
「まだわからないけれどな」
　決まっていないがというのだ。
「そうなるかもな」
「そうなんですね」
「まあそれもな」
　山田はここでは達観して言った。
「世の中だ」
「そうなりますか」
「ああ、結局はな」
「そうなるんですね」
「欲があるんだ」
　そうだというのだ。