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金木犀の許嫁

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第三十二話 大阪の野球その八

「今では」
「人は誰でもですね」
「世を去るので」
「だからですね」
「そうでした」
 まさにというのだ。
「あの人も。ですが」
「それでもですか」
「今は今で」
 現在もというのだ。
「色々な人がです」
「ここを歩いていますか」
「難波を」
「そうですか」
「ですから」 
 それでというのだ。
「今は今で、です」
「色々な人がいますね」
「そうした街です」
「そうですね」
「大阪の中でも」
「この難波はですね」
「特に賑やかな場所で」
 そうであってというのだ。
「今もです」
「賑やかで」
「色々な人が歩いていますね」
「そして文化もです」
「ありますね」
「大阪の文化の」
 それのというのだ。
「中心地の一つです」
「昔からですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「まことに」
「何かです」 
 夜空も言ってきた。
「そうしたお話を聞きますと」
「何でしょうか」
「難波は楽しいだけではないですね」
「歴史もあり」
「文化もですね」
「あります」
 そうだというのだ。
「こちらには」
「そうですね」
「そしてその歴史の中に」
 そこにというのだ。
「ホークスもあり」
「野村さんもいますね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「そうなのです」
「そう思いますと」
「感慨がありますか」
「はい」
 夜空は一言で答えた。
「本当に」
「そうですね」
「ですから」
 それでというのだった。
「私はこれからも」
「来たいですか」
「この難波に」
 そうだというのだ。
「そうしたいです」
「そう思われるなら」
「それならですか」
「何度もです」
 それこそというのだ。
「ここにです」
「来るべきですね」
「そうして下さい」
 こう言うのだった。
「是非」
「それでは」
「その様に」
「そうしていきます」
「いい街ですので」
 難波はというのだ。
「何度来てもです」
「いいですね」
「来るとです」
「それで、ですね」
「その度にです」
 まさにというのだ。
「いい経験が出来て」
「いい思いをしますか」
「勿論雨の日もありますが」
 いい思いをしなかった日もあるというのだ。
「ですが後になって雨もです」
「いいと思える風になりますか」
「常にいい思いをするかといいますと」
 夜空の今の言葉についても話した。 
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