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ドリトル先生と奇麗な薔薇達

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第八幕その四

「けれどね」
「それでもだよね」
「そうしたところでずっと努力する」
「磨いていかないとね」
「出来ないわね」
「そう、そしてね」 
 それでというのです。
「出来るもので若しエンベルグさんが結婚祝いにね」
「華道の薔薇を贈ろうとしても」
「そうは出来ないね」
「そうよね」
「とてもね。確かエンベルグさんは華道はされていないから」
 だからだというのです。
「残念ながらね」
「出来ないよね」
「華道の薔薇を贈ることは」
「流石に」
「そうだよ、それに華道は本物の草花を用いるね」
「そこに味があるんだよ」
「そうなのよね」 
 チープサイドの家族が言ってきました。
「まさにね」
「そうなんだよね」
「これが造花だったら」
 老馬は首を傾げさせて言いました。
「華道じゃないね」
「また別のものだよね」
 チーチーは老馬の言葉に頷きました。
「華道じゃなくて」
「贈りものにはいいけれど」
 それでもと言うトートーでした。
「どうかな」
「華道が駄目なら造花だね」
 ダブダブはトートーにお顔を向けて言いました。
「それ結構いいかもね」
「そうね、考えてみる必要があるわ」 
 ガブガブはまさにと続きました。
「そちらもね」
「いいかもね」
 ジップはこう言って賛成しました。
「それもまた」
「そうだよね」
 ホワイティも頷きました。
「造花だとずっと残るしね」
「いい結婚記念になるわ」
 ポリネシアもまさにと言います。
「ずっと飾れるしね」
「いや、思わぬヒントが出たよ」
「ここでね」
 オシツオサレツはここでも二つの頭で言います。
「結婚記念のプレゼントは造花」
「前向きに検討しようか」
「そうだね」
 先生もまさにと頷きました。
「考えてみよう」
「そうだね」
「ただ銀の薔薇は駄目だね」
「薔薇の騎士は」
「うん、前にお話した通りだよ」
 先生は銀の薔薇がどうして駄目かも答えました。
「あの作品のことを考えるとね」
「夫婦の結婚祝いとしては」
「どうしてもね」
「よくないね」
「あの楽劇のことを思うと」
「不倫があるし」
「花婿さんは悪役だし」
 そうであってと皆もお話します。 
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