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第百三十九話 姉の忠告その十

「お百姓さんがお侍さんの養子になって」
「伊藤博文さんよね」
「そう、あの人みたいにな」
 まさにというのだ。
「武士になる人もいたし」
「功績あったら苗字帯刀許されてね」
「欧州よりずっとな」
 それこそというのだ。
「階級もな」
「曖昧だったわね」
「それで搾取ってな」
「年貢よね」
「幕府なんかお米さえ納めてたらな」
 年貢のそれをというのだ。
「木綿とか菜種売ってもな」
「年貢に取らなかったわね」
「それに年貢もな」
 幕府の直轄地ではというのだ。
「低かったしな」
「幕府はそうよね」
「大抵の藩も年貢はな」
「重くなかったわね」
「搾取っていう程な」
 そこまではというのだ。
「高くなくて」
「いい時代だったわね」
「それも平和でな」
 そうであってというのだ。
「いい時代だったよ」
「江戸時代の日本は」
「何だかんだ悪く言う人いてもな」 
 マルクス史観に基づいてだ。
「実際はな」
「いい時代だったわね」
「平和でな」
「そうよね」
「平和だとな」
 そうであるならというのだ。
「本当にな」
「それだけで幸せね」
「戦争ある国もあるしな」
「うちの学校も戦争してる国から来てる子いるしね」
「アフリカとかからな」
「アフリカって内戦とかあって」
 そうであってというのだ。
「大変な国もあるわね」
「中東でもな」
「昔はバルカン半島だってな」 
 欧州の火薬庫と言われたこの地域でもというのだ。
「大変だったよな」
「そうよね」
「今は落ち着いてるけれどな」
 バルカン半島もというのだ。かつてユーゴスラビアという国が存在した地域だ。多くの民族や宗教が入り混じっている地域であるのだ。
「あそこもな」
「戦争で大変だったわね」
「無茶苦茶だってな」 
 その様にというのだ。
「あっちから来た奴言ってるだろ」
「セルビアとかクロアチアとかから来た子達ね」
「もう思い出したくもない位の」 
 そこまでのというのだ。
「碌でもないことがな」
「普通にあって」
「殺し合って憎み合って」
「そうした状況で」
「何年もやってな」
「大勢の人が死んでお家もなくなって」
「経済だって滅茶苦茶になってな」
 そうしてというのだ。
「不幸かっていうとな」
「まさによね」
「そうした状況になるからな」
「戦争は」
「だからな」
 そうであるからだというのだ。 
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