神々の塔

「そや、アンラ＝マンユもまたな」
「否定出来へんね」
「この世界を司ってはる」
「破壊しようとせずに」
「闇そして悪を護り動かすな」
「そうした神霊さんたね」
「そうなる」
　まさにというのだ。
「滅ぼさなあかんかっていうとな」
「ちゃうね」
「ほんまに均衡がや」
「大事やね」
「若しそれが崩れたら」
　光と闇、善と悪のそれがというのだ。
「その時世界は崩れる」
「そうなるね」
「そうなるさかいな」
　だからだというのだ。
「あの神霊さんもな」
「必要やね」
「そうなるわ」
「ゾロアスター教の世界やと」
「それでアフラ＝マツダさんもな」　
　この神霊もというのだ。
「必要や」
「そうなるね」
「ただ若し光の力が強うなって」
「それに善がやね」
「そうなるとな」
「かえってあかんね」
「光が強過ぎたらな」
　そうなると、というのだ。
「眩し過ぎるやろ」
「何かと」
「人は真っ暗闇では何も見えへんが」
　それと共にというのだ。
「眩し過ぎてもな」
「見えへんね」
「そや、ほんまな」
「均衡が大事やね」
「それこそ永遠にや」
「均衡を保つ」
「そうせんとな」
　さもないと、というのだ。
「世界は崩壊するわ」
「均衡が崩れた時に」
「まさにな」
「そうやね」
「それでや」
「アンラ＝マンユさんもこの塔に出て来はって」
「そして世界を憂いていてはってな」
　そうであってというのだ。
「私達と戦ってな」
「試練を与えはったんやね」
「そういうことや」
「悪というても世界を守護してはる」
「そして憂いてもいる」
「そういうことやね」
「結局人では善悪は完全にはわからへん」　
　シェリルは指摘する様に言った。
「そういうことやな」
「そうしたことがわかるというと」
「もうな」
　それこそというのだ。
「神霊さんや」
「そうなるね」
「もっと言えば神霊さん達は自然の要素が大きいわ」
「この世のそれぞれのもん司ってはって」
「アンラ＝マンユさんの闇もな」
　この神霊が司っているそれもというのだ。