神々の塔
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第七十八話 光の神その一
第七十八話 光の神
アンラ=マンユとの戦を終えてだ、綾乃達は闇の神に言われた。
「先にいるのはアフラ=マツダだ」
「光の神ですね」
「我に対するな」
こう綾乃に話した。
「そうなる、我等は敵対しつつだ」
「この世界を保っていますね」
「そうだ、闇と光でだ」
その二つの世界でというのだ。
「悪と善でな」
「世界は構成されていて」
「保たれている、悪とあるが」
それでもというのだ。
「世界を滅ぼすかというとだ」
「ちゃいますね」
「人から見れば悪は忌まわしいものだな」
「そうなります」
綾乃はその通りだと答えた。
「やっぱり」
「我等の教えではな」
「ゾロアスター教やとですね」
「しかしだ、悪と善にだ」
それにというのだ。
「闇と光がありな」
「世界がありますね」
「そうだ、世界の摂理なのだ」
「光と闇、善と悪は」
「そうした観点から言うとな」
そうすると、というのだ。
「我等悪はな」
「必要なもんですね」
「要は均衡でな」
「両方のバランスを保つことですね」
「そうだ、双方がないとだ」
「善だけでも悪だけでも」
「世界は保たれない」
そうなるというのだ。
「だから我とアフラ=マツダは戦いつつもだ」
「この世界の均衡を保ってますね」
「そうしている、そして我が世界が滅ぶことはだ」
それはというのだ。
「決してだ」
「望んでおられへんですね」
「そうだ、そのことをだ」
「忘れへんで」
「次のアフラ=マツダと彼に従う神霊達とだ」
「戦うことですね」
「人から見れば悪でもだ」
そうであろうともというのだ。
「この世には必要なものもある」
「そのことをですね」
「忘れずな」
そうしてというのだ。
「進んでいくのだ、そしてだ」
「この世界を救うのですね」
「そうするのだ、悪もまた世界を守っている」
「人から見て悪でも」
「そのことを忘れないことだ」
「わかりました」
綾乃は確かな声で頷いた、そうしてだった。
旅館に戻り身体を清め乾杯した時にだ、共にアンラ=マンユの話を聞いた仲間達とこの神霊に言われたその話のことを話すと。
まずはリーがだ、神妙な顔で語った。
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