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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その五十七

「自分がいる分艦隊でなくてもな」
「やっぱり知っていて」
「それでな」
 そのうえでというのだ。
「ああした動きもな」
「ご存知ですね」
「間違っても表情を変えてな」
 驚愕のそれにというのだ。
「そのうえでだよ」
「前進命令が出て我に返るとかは」
「ないからな」 
 知っていればとうのだ。
「だからな」
「艦長はご存知なくて」
「艦長がそうならな」
「もうですね」
「艦隊自体がな」
 それこそというのだ。
「関わってないな、司令もな」
「俺達の艦隊の」
「どうだろうな」
「ご存知ないですか」
「そうかもな、本当に謎の奇襲だったな」
「国境の時も第二次防衛ラインの時も」
「急に魚雷が出て来て」
 敵軍即ちティムール軍の側方や後方からである。
「基地や艦隊が攻撃受けて」
「そこから崩れてな」
「俺達が攻撃仕掛けて勝ってきました」
「それが本当にな」 
 まさにとだ、大尉は話した。
「決め手になってきたな」
「そうでしたね」
「凄い一撃だったけれどな」 
 それでもというのだ。
「どの艦隊かわからないのはな」
「妙なことですね」
「ああ、何なんだろうな」
「どの艦隊の攻撃か」
「気になるな」
 こう少尉に話した。
「今回のことは」
「全くですね」
「ああ、本当に謎だよ」
 大尉はこう言った、そしてだった。
 そうした話をしつつ彼等は整備も進めていった、オムダーマン軍は戦闘がない今も多忙な状況であった。
 アッディーンもそれはわかっていた、そして彼が見ているのは整備だけではなく幕僚達にこう言っていた。
「進軍は快調だが」
「それはそれで、ですね」
「問題もありますね」
「補給のことが」
「そのことが」
「補給が追い付かなくなるとだ」
 そうなればというのだ。
「問題だ」
「左様ですね」
「進撃は確かにいい感じですが」
「補給がどうか」
「このことが懸念されますね」
「補給なくして戦うことは出来ない」
 到底、そうした言葉だった。
「どうしてもな」
「エネルギーや弾薬、糧食がなければ」
「戦うことは不可能です」
「進撃が進むと補給路が伸びます」
「そうなりますので」
「先に先に進んでもだ」
 その様にしてもというのだ。 
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