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神々の塔

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第七十七話 世界のサイクルその八

「それで無罪になったら」
「早速泥棒して」
「殺人事件も起こしたのよね」
「そやで」
「何かね」
 アレンカールは眉を顰めさせてこうも言った。
「その凶悪犯の周りで不審死が八件起こってるのよね」
「女の人ばかり」
「それで無罪になったのも」
「女の人の殺人事件やで」
「やってるでしょ」
 アレンカールは直感でそう察した。
「どの事件もね」
「そやろね」
 綾乃も否定出来ずこう返した。
「合わせて十人、他にも小さな女の子の首絞めてたし」
「もうそこまでいったらね」
「死刑にせんとね」
「はっきりしたら」
「一人でもよ」
「人殺したら死刑やね」
「それが凶悪やとね」
 その場合はというのだ。
「ほんまね」
「そうするしかないね」
「そうよ、というかその殺人鬼世に放ってね」 
 アレンカールはその大学教授の行いについても話した。
「人殺されたけれどその責任は?」
「間接的に無実の人殺して」
「あるでしょ、法的になくても」
 その責任はというのだ。
「そやけどね」
「人道でね」
「人権人権言うなら」
 法律を否定してまでしてだ。
「殺された人の人権はどうなるのよ」
「そう考えるのが普通やけど」
「全く、死刑に五月蠅く言って」
「被害者の人のことは考えへん」
「凶悪犯の人権には五月蠅いのね」
「死刑賛成言うのが馬鹿ならや」
 今度はリーが言った。
「私は喜んでや」
「馬鹿になるんやね」
「言うて結構、世に害を為すだけの屑はおる」
「この世界にも」
「人を平気で殺す様な」
「殺人鬼とか外道とかおるね」
「そんな連中を死刑にして馬鹿と言われるなら」
 そうして多くの人の害を除ければというのだ。
「もうや」
「馬鹿って言われてもね」
「喜んでな」
「受けるね」
「そうするわ、また起きた世界の日本やが」
 それだけその世界の日本にはおかしな輩が多いということか。それも知識人と言われる者達に多い。
「そんなこと言う作家さんおったな」
「女の人でね」
 綾乃はその人物の性別のことから話した。
「お坊さんやで」
「つまり尼さんやな」
「その人がやねん」
「そう言ってたな」
「まあ色々あった人で」
 その僧籍にあった女流作家はというのだ。
「不倫とか駆け落ちとか」
「そうみたいやな」
「結婚してたけど旦那さんの教え子と」
「漫画みたいやな」
「他にも色々そうしたことあって」
 不倫の話はその件だけではなかったという。 
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