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ドリトル先生と奇麗な薔薇達

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第六幕その十一

「どうもね」
「もの足りなくなりましたね」
「夏でもね」 
 暑くて湯舟に入るともっと熱くなるこの季節でもというのです。
「やっぱりね」
「先生は湯舟ですね」
「そうなったよ」
「今ではそうですね」
「ゆっくりと入ってね」 
 湯舟にというのです。
「リラックスして」
「体の疲れを癒して」
「楽しんでね」
 そうしてというのです。
「じっくりとだよ」
「満喫されますね」
「トミーもそうなったかな」
「シャワーでもいいですが」
 それでもとです、トミーは先生に答えました。
「どちらかといいますと」
「トミーもお風呂だね」
「そうなりました」
 こう言うのでした。
「もうさっとシャワー浴びでそれで終わりはです」
「あまりなくなったね」
「イギリスではいつもでしたが」
 それでもというのです。
「今はです」
「あまりなくなったんだ」
「そうなりました」
「僕はもう毎日ね」 
 先生はまたこう言いました。
「夏でもね」
「お風呂ですね」
「そうなったよ、夏でもじっくりと入る」
「それがいいですね」
「うん、だから温泉も好きで」
「銭湯もスーパー銭湯もお好きですね」
「そうなったよ」
 日本に来てからです。
「本当にね」
「それで薔薇風呂もですか」
「よかったってね」
 その様にというのです。
「思っているよ」
「そうですね、いい匂いがしますよ」
 今の先生はというのです。
「本当に」
「そうなんだ」
「香水を付けていないのに」
「それでもだね」
「いい香りがしまして」
 それでというのです。
「いいですね、薔薇の香りです」
「僕から薔薇の香りがするんだ」
「そうです」
「僕は体臭を言われたことはないけれどね」
 これはいつも清潔にしているからです、動物の皆が先生の身の回りのお掃除やお洗濯に励んでいるからでもあります。
「それでもなんだ」
「はい、今はです」
 まさにというのです。
「とてもです」
「いい香りがしているんだ」
「薔薇の」
「それは素晴らしいね」
「体臭も大事ですから」
「うん、それがきついとね」
 どうしてもというのです。
「周りに迷惑かけるからね」
「そうですね」
「だからね」 
 それでというのです。
「今の僕はだね」
「魅力がアップしています」 
 体臭がいい分というのです。
「体臭の分だけ普段以上に」
「それは何よりだね」
「これならもっともてますよ」
「いや、もてるのはね」
 先生はこのお話には軽く笑って応えました。
「とてもね」
「ないですか」
「僕はね、ただよく僕達コーカロイドはね」
「体臭がきついと言われますね」
「アジア系の人と比べてね」
「その体臭がしないことは」
「やっぱりいいね、じゃあこれからもね」 
 笑顔で言うのでした。
「時々でもね」
「薔薇風呂にですね」
「機会があれば入るよ」
「そうされますね」
「喜んでね」 
 こう言うのでした、そして薔薇風呂のお話も笑顔でするのでした。 
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