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現実世界は理不尽に満ちている!

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第11話後半

 
前書き
ネオ・代表05−1です。第11話後半となります。
どうぞ、ご覧ください。
 

 
 静けさが支配する某惑星宙域に、三千もの赤い光点が輝く。

 その光点一つ一つは宇宙艦隊を構成する空母や戦艦そして巡洋艦であり、その中には小さな光点を作る駆逐艦とより小さな光点が錯綜していた。

 それらを束ねる立場にある連合艦隊司令官は、メインパネルに視線を移す。

 「敵艦隊への損害大!敵艦隊の内の9割を撃破!1割を切りました!」

 多種多様な艦艇で構成されている敵艦隊は燃え盛りながらも、連合艦隊へ砲火を浴びせる。

 そんな中で連合艦隊屈指のスピードを誇る二千以上もの戦闘機が敵艦隊へ肉薄し、疾走していく。

 十数秒後、敵艦隊から爆炎が舞い上がり、駆ける戦闘機の軌跡に鮮やかな光を灯していく光景が広がっていく。

 「残り、敵旗艦のみ!」

 依然と健在な敵旗艦は、再び来襲して来た大規模な戦闘機編隊へ対空砲火を浴びせる。しかしながら敵旗艦はその巨艦に似合わず、装備されている対空火器が非常に少ない。
 
 だが、そんな事など連合艦隊にとっては知ったことなどない。
 寧ろ感謝したぐらいだ、敵旗艦は狙いやすくて大きな的であるのだから。

 連合艦隊に属する戦闘機編隊は対空砲火から慌てることなく避け、肉薄するや否や戦闘機から対艦ミサイルが一斉に発射された。

 「全弾、着弾を確認!全て命中しました!」

 殺到していた複数のミサイルが敵旗艦に着弾すると、周辺を圧する綺麗な花火が敵旗艦を包み込む。

 「全艦隊、撃ち方始め!」

 弩級戦艦・戦艦・巡洋艦・駆逐艦、艦種関係なく全ての戦闘艦艇から主砲が斉射される。
 主砲から放たれた白いビームも着弾すると同時に、敵旗艦の装甲を引き裂き、大きな亀裂を生じさせる。

 次の瞬間、ダークグレイ色が特徴な敵旗艦は形状を保つことが出来ずに轟沈していった。

 「敵旗艦、撃破!」

 その報告に連合艦隊将兵は、歓喜の声を上げる。

 それは連合艦隊旗艦〈ミトロギア〉も同様であり、艦橋では歓喜の声で満たされた。
 だがそれは、ほんの少しの事だ。

 『!?』

 連合艦隊司令官の咳払いで、一瞬で我に返る将兵達。

 『……』

 歓喜の声で満たされた艦橋が、今では少しの息遣いのみとなり静かとなった。

 「気を緩ませるな。第一種戦闘配置を解除、第2種戦闘配置に移行。損傷が激しい艦を優先修理し、その後は補給。…キビキビと動け!」

 『は、はっ!』

 直後、艦橋が忙しくなり己の役目を果たす為に将兵達はキビキビと動く。

 「ふぅ」

 連合艦隊司令官は慌てて職務に戻る彼らを見つめ、誰にも気づかれることはない溜め息を吐いた。その気持ちは分からなくはない、彼が吐いた溜め息にはそんな想いが込められていた。

 なんていったて、敵は連合艦隊と同じくシールドを保有し、かつ連合艦隊よりも強力なシールドと光学兵装を保有する敵旗艦を撃破したのだ。
 
 副官を含む将兵達のその気持ちは分かる。
 だが今は浮かれている場合ではない、浮かれるのは”全て終えて”からだ。

 損傷した艦を一刻も早く後方に位置し待機している補給艦隊と合流させ、負傷した将兵を一人でも多く治療することが先決だ。

 何故ならば、戦いが”また”やって来るのだから。
 この戦いは何も今回が初めてではない、何度も起きている事だ。

 連合艦隊司令官はこの銀河がどうなっているかについて、思い返す。
 
 銀河は既に、その半分が【奴ら】に奪われてしまった。
 過去に【災害】が出現し、監視対象と指定された星系から、【奴ら】は現れた。

 監視対象と指定された星系から抜け出した【奴ら】は、監視対象を監視する軍事拠点を陥落。その後は日に日に力を付け勢力を拡大する【奴ら】に、今では銀河の半分を奪われてしまった。

 そんな【奴ら】にこれ以上は奪われてたまるかと、元より団結していた盟主国とその盟主国に従う国家群はより一層団結した。
 とはいえ、奪われた領土はそう簡単には取り返せない。ましてや、その奪われた領土から逃げ延びた民が一人も確認されていない。

 したがって、防衛のみとなってしまった。

 だが、いつかは、いつの日かは必ず取り返しみせる。
 連合艦隊司令官は決意に満ちた想いを抱えつつ、次も来るであろう【奴ら】――敵を睨みつけたのだった。

 その日から1週間が経とうとしていた。

 防衛戦はスイキ絶対防衛線、通称スイキ防衛線と呼ばれた。そのスイキ防衛線こそが、先の戦い含めこれまでの戦いで連合艦隊が敵艦隊を撃破した場所だ。

 防衛線はスイキ防衛線を含め、全部で3箇所ある。
 今も半分の領土が存続しているのは、前線で戦う将兵のおかげなのだ。そんな前線ことスイキ防衛線を含めた全ての防衛線では動きがあった。

 「司令官閣下、前方に重力波を確認しました!…これは、ワープアウト反応です!」

 連合艦隊司令官の元に、士官から報告がやって来た。
 遂に、会戦の火蓋が切られようとする瞬間が…。

 ワープアウト反応が確認された直後、連合艦隊の前に【奴ら】は現れた。
 
 一つは艦全体が艦首の兵装を中心に設計された、月の色を主張している灰色が基調の二百m級。
 一つは楔形の形状が特徴かつ追加の装甲を施した、明るい灰色が基調の五百m級。
 一つは薄い緑色が基調の五百m級。
 一つは船体の後部エンジンが4つあるのが特徴な六百m級。
 
 他にもあるがこの四種を合わせると、八種の艦艇が艦隊を構成していた。その八種類の艦艇の中で、連合艦隊の弩級戦艦を上回る全長を持つ二種類の艦艇があった。

 左右非対称な船体が特徴である、明るい灰色が基調の全長1010m。
 その艦艇を一回りほど上回る大きさを持つ、ダークグレイ色が基調の全長1120m。

 「更にワープアウト続く!」

 通信士官が報告した直後、ダークグレイ色が基調の全長1120mの艦艇が1隻、姿を現した。一歩遅れて、その艦艇を護衛するように、楔型の形状が特徴かつ派生の重砲モデル艦艇が10隻ほどワープアウトする。

 「敵旗艦を確認しました!」

 連合艦隊司令官は、たった今ワープアウトしたダークグレイ色が基調の全長1120mの艦艇を睨みつける。先程ワープアウトした艦艇と同じ外見だが、連合艦隊よりも優れたシールドとビーム兵装を装備している。
 この艦艇こそが、敵旗艦。
 
 敵艦隊の戦力が報告される。

 「敵艦隊の戦力は、我が連合艦隊を下回る二千と百隻です」

 【奴ら】――敵は常に連合艦隊よりも同等以上の戦力を投入する。時には連合艦隊よりも倍の戦力を投入することだってあった。それが何故…。

 「まぁ、いい」

 考えるのは後だ。

 「全艦隊、第二種戦闘配置を解除し、第一種戦闘配置に移行!」
 
 『はっ!』

 今は出現した敵艦隊を撃破するだけを考えればいい。

 「全艦隊、撃ち方始め!空母から艦載機を全て上げろ!」

 会戦の火蓋が切って落とされた。
 
 会戦から数時間が経過した。
 
 敵艦隊の内7割を撃破し、残りは3割。
 対して三千隻あった連合艦隊は二千三百隻を下回り、決して少なくない損害を貰ってしまった。

 「敵艦隊、後退を開始しました」

 「そうか。…ふふっ、この戦い、勝ったな」

 ふと、不思議と背筋が凍りつくのを連合艦隊司令官は感じた。
 何故かは分からない。たた、急に背筋が凍りつくのを感じた、それだけだ。だが、そのそれだけが、自分の脳には嫌な予感がやって来ると訴えている。

 何故だ。
 これだけ数的・戦術・戦略でも連合が優位だ。……ま、まさか。

 「司令官閣下!」

 通信士官は悲鳴にも等しい声音で、連合艦隊司令官へ報告する。

 「敵艦隊の後方に、巨大な重力波を確認しました!」

 連合艦隊司令官は続けて発せられる報告を、畏怖する目つきで聞き入れることしか出来なかった。

 「来ます!」

 何が起こっているのか、連合艦隊司令官には分からかった。

 連合艦隊司令官が席から立ち上がった瞬間、艦橋のメインパネルにワープアウトした全長二千m超えの、超弩級不明艦が映し出された。宇宙の漆黒を照らし出し、周囲に巨大な重力波と輝く青色の粒子を撒き散らしながら、その巨艦は現れた。

 「重力波照合を確認、…完了。敵艦隊と同じ反応です」

 月のような灰色の船体、全長が二千mを超える艦艇、大型の艦首兵装。
 間違いない。この艦艇こそが、敵艦隊の真の旗艦なのだ。

 「い、依然と優位である事には変わりない。ぜ、全艦隊、艦砲射撃開始!」
 
 何とか我に返った連合艦隊司令官は、やっとの思いで言葉を出せた。

 既に敵艦隊の全てが撤退しており、この戦場に居るのは連合艦隊と敵の超弩級戦艦のみだ。
 連合艦隊は主砲を斉射し、敵超弩級戦艦に叩き込む。叩き込まれたと同時に白いビームが爆ぜていく。包囲しての砲撃ではないが、それでも火力は圧倒的で敵超弩級戦艦は無傷では済まない。
 
 「艦隊射撃七割命中!しかし敵シールド貫通に至らず!敵艦は無傷です!」

 しかし、それは叶うことはなかった。

 数的でいえば二千隻超えの連合艦隊のほうが圧倒的に優勢であるが、今までの敵旗艦と比べ、敵超弩級戦艦のシールドは強固で、かすり傷一つ付けることは叶わなかった。

 「敵旗艦、砲撃!」

 敵旗艦――敵超弩級戦艦より砲撃が艦首より放たれる。
 しかしその砲撃は、…ただの砲撃ではなかった。
 
 圧倒的破壊力を持つ光線に飲み込まれていき、射線上に存在した百隻以上の艦隊が光の渦へと消し去られ、一気に飲み込んでいく。それだけでは済まず、余波だけでその艦隊の付近に居た五〇隻もの艦艇が中破状態と化した。

 「…は?」

 何だ、今の砲撃は?
 いや、それは最早、砲撃の域を超えている。誰もが唖然とし、連合艦隊司令官は口を開けたまま固まることしか出来ないでいた。

 「司令官閣下!」
 
 そんな中、一人の通信士官が声を上げる。

 「今度は、何だ?」
 
 声を上げた通信士官は振り向く連合艦隊司令官。通信士官は口を震わせながら、静かに報告する。

 「…巨大な重力波、再び来ます」

 「なんだと!?」
 
 「さ、先程の、10倍以上の重力波です」

 ワープアウト反応です、と付け加えた通信士官は続ける。

 「新たに、敵艦二百隻を、確認、しました」

 連合艦隊司令官がメインパネルに振り向くと、超弩級戦艦の後方に先程の1隻と似た艦影の艦隊がワープアウトした。
 
 その艦隊は1600m級や900m級で主に構成されており、似つかない艦影の850m級も確認出来る。
 しかしながら共通点として、艦首が主兵装となっている。

 連合艦隊司令官にとって、最早この戦いの勝敗など、考えるまでもなかった。
 …あぁ、負けるのか。…あぁ、そうか、これまで相手して艦隊は全て―――。

 二百隻の敵艦隊は連合艦隊へ集中砲撃を開始する。
 次々と爆沈し、連合艦隊の数は減りに減っていく。

 「全艦隊、撤退!」

 「撤退ですか!?しかし、それは…っ」

 「撤退だ…全軍撤退、全艦隊通信で残っている船にそう伝えるのだ!…私だって、悔しいのだ」

 「承知、しました」

 そうして、殿艦隊を除いて八百隻あまりとなった連合艦隊は撤退を開始した。

 連合艦隊が撤退する中、殿艦隊を全て撃破した二百隻の敵艦隊は砲撃を止めた。その艦体には、煌びやかな青色の粒子を輝かせていた。

 数年間、守られたスイキ防衛線は敵艦隊により突破された。それは同時刻、残り2つの防衛線も同様に突破された。

 数年後が経ったある日、盟主国と盟主国に付き従う国家群は降伏した。同時に、【彼女】の属国となった瞬間だった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

《ある日のギルド長》

 【TE】シリーズの艦艇は見た目が最高、勿論性能もだが。
 特に【スタースイーパー級 TEイオン砲巡洋艦】が好きだな。それ抜きにしても旧帝国主力は伊達ではない、役立ててる為に改装でもして役立てよう。やっとクロイン艦の解析が完了したからな。

 【エターナルストーム級】も最高!
 【イオ級】も最高!

 そんな中、気がつけば銀河の半分を支配する支配者となっていた。…ナンデ?
 不思議でしょうがない、探索しただけで時折邪魔者を排除したくらいなのに。

 そうだ。どうせなら、改装済みの艦隊を全防衛線に差し向けよう。
 数年間もの続く膠着状態は終わり迎え、私はこの銀河系の全てを貰い受ける!地図のみを!
 
 そういえば、私が今も居るこの銀河の名前、【アルポ銀河】と言うらしい。

 …天の川銀河ではないのか、同じ広さetcだと言うのに、凄い泣きたいのだが。
 
 いや、泣いている顔なんぞ見せたらギルドメンバーに申し訳ないな。
 ……ギルドメンバー、1人もいないんだった、悲しいかな。 
 

 
後書き
【スイキ防衛線に投入された艦艇】
・マーレ級突撃フリゲート
・マーレ級パルス砲フリゲート
・エリスⅠ級装甲駆逐艦】
・トーラス級パルス砲駆逐艦
・トーラス級防護駆逐艦
・ガーディアン級 支援駆逐艦
・セレス級 艦載機駆逐艦
・CAS066級 支援巡洋艦
・プレデター級 戦闘機搭載巡洋艦
・イェーガー級 重砲巡洋艦
・イェーガー級改 重砲巡洋艦
この艦艇達で以って編成し、スイキ防衛線に投入された。改装済み艦隊が出来上がるまで。
【改装済み艦隊】
・イオ級改 イオン砲型巡洋艦
・スタースイーパー級改 TEイオン砲巡洋艦
・エターナルストーム級改 攻撃巡洋戦艦
・エターナルストーム級改 /指揮官級

*これら全て、インフィット・ラグランジュと呼ばれるゲームに登場する艦船。検索すると、本作品に登場した艦船がわかるゾ。

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 さてさていかがだったでしょうか。至らないところもあるかと思いますが、温かい目で観ていただけると嬉しいです。ご意見、ご感想お待ちしております。次回もお楽しみに!  
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