ハッピークローバー
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第百三十八話 肩と肘その六
「それからなのね」
「ずっと吸うみたいだね」
「そうなのね」
「うん、これがね」
「何で吸うかって思っていたら」
「そうみたいだよ、まあ最初から吸わないことだね」
達川は鍋の中の白菜を食べつつ言った。
「煙草は」
「それが一番よね」
「健康の為にはね」
「私絶対に吸わないわ」
「俺もだよ、未成年でなくてもね」
それでもというのだ。
「吸わないことがね」
「一番よね」
「百害あって一利なしで」
そうであってというのだ。
「これからも吸わないよ」
「そうしていくことね」
「お酒はいいよ」
達川は今度は酒を飲んだ、赤ワインをごくりとだ。そして飲んでから酒がまた身体に滲み込んでいくのを感じつつ一華に言った。
「飲み過ぎは毒でも」
「普通に美味しいしね」
「酔えてね」
「気分もよくなるし」
「あの総統さんお酒も飲まなかったけれど」
その為彼がワインを飲んでいて周りが驚いたという話がある。
「やっぱりお酒はね」
「いいわよね」
「お酒を飲んで」
そうしてというのだ。
「今みたいに」
「楽しくやればいいわね」
「そしてそのお酒はね」
「ワインがいいのね」
「あと焼酎もいいらしいね」
「そちらのお酒もなのね」
「本当にビールは飲まない様にしているよ」
達川はまたこう言った。
「日本酒もでね、特にビールとホルモンなんて」
「結構王道の組み合わせね」
「確実に痛風になるから」
「ああ、そういえば思い出したけれど」
ここで一華はこんなことを言った。
「広岡達郎さんだけれど」
「ヤクルトや西武で監督やってた」
「あの人痛風だったのよね」
「それ有名なお話だよ」
達川はこう返した。
「それずっと言われてたよ」
「そうだったのね」
「選手の人達にお肉食べなって言って」
「それで自分はなのね」
「白米も駄目でね」
「そっちもよね」
「実際は食堂に玄米食も出して」
どうやら禁止まではいかなかったらしい。
「お肉も食べてよかったみたいだよ」
「そうなの」
「ただ次の日試合あったら」
その時はというのだ。
「お酒を禁止したらしいんだ」
「それだけだったの」
「次の日の試合に差し支えるからね」
「二日酔いになったら」
「だからね」
それでというのだ。
「焼肉にビールとか禁止しただけだったみたいだよ」
「実際はもっと緩やかだったのね」
「全面禁止かっていうと」
「違ったのね」
「どうもね。それで広岡さん自身は」
「痛風だったのね」
「何でもホルモンが好きで」
鶏肉を食べつつ言った。
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