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夢幻水滸伝

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第三百五十九話 開戦の宣言その五

「攻めてくるで」
「その隙を逃さずに」
「そうしてな」
「そやからですね」
「油断は出来ん」
 絶対にというのだ。
「それでや」
「当直を置き」
「警戒態勢は維持してな」
 そうしてというのだ。
「哨戒部隊を出すで」
「そうしますね」
「そうしてな夜は休む、当然当直員や哨戒部隊もな」
「休んでもらいますね」
「そうしてもらうわ」
 スパムを食べているガーランドに話した。
「任務の後でな」
「しっかりとですね」
「ほんま寝て食わんとな」
「人は動けへんですね」
「そうなるさかいな」
「彼等にもそうしてもらいますね」
「そや、そして明日はな」
 トウェインは再び明日のことを話した。
「敵の布陣の弱味を衝いてな」
「攻めますね」
「具体的に言うとメルヴィル達の布陣は重厚で何重にも敷かれてるが」
「鉄条網や塹壕やトーチカを用いて」
「そや、しかし左翼は地形の起伏が激しくてや」
「海岸部の方ですね」
「メルヴィルから見れば左翼やな」
 ガーランドにこのことも話した。
「そやな」
「あちらからすればそうですね」
「川も入り組んでいてな」
「海からの」
「それでや」
 ガーランドに強い声で言った。
「メルヴィル達もあちらの兵は少なくてや」
「守りが薄いですか」
「自然に頼ってな、勿論その地形もや」
「厄介ですね」
「天然の要害って言葉がある通りな」
「地形はそれ自体が守りですね」
「そうなる、あそこみたいに起伏が激しくてや」
 そうだであってというのだ。
「川が入り組んでるとな」
「それ自体が強い防衛ラインになりますね」
「しかも沼沢地になってる」  
 その辺りはというのだ。
「そやから余計にや」
「攻めづらいですね」
「事実今日はあっちでも戦ったが」
「満足に戦えへんかったですね」
「そや、しかしな」
「明日はですね」
「あそこを攻める、敵軍の数が少なくて兵器や備えも少ないさかいな」
 だからだというのだ。
「そうするで」
「敵軍の左翼を攻めますね」
「そうしてくで」
 こう言ってトウェインは明日のことを話した、そして食後の作戦会議の場で戦場の地図を卓の上に拡げたうえで言うのだった。
「左翼はわい自ら言って皆もや」
「攻勢に参加しますか」
「そや、エリカちゃんはそのまま水軍で戦ってもらってな」
 スタインベックにエリカを見てから答えた。
「全体の指揮はヘミングウェーにやってもらうわ」
「私ですか」
「自分は防御戦と後方支持のスキルが高いからな」
 本人に告げた。
「それでや」
「攻勢に出ている間の全体の指揮は、ですね」
「頼むわ」
「わかりました」
 ヘミングウェーは確かな声で答えた。 
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