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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その三十二

「すぐに終わるだろ」
「そうですよね」
「手分けしてやれば」
「仕事はすぐに終わりますね」
「一人だけさぼるとかな」
 階級をタテにだ、軍隊ではよくある話である。
「俺は嫌いだからな」
「エウロパの連中みたいですよね」
「それだと」
「貴族の奴等みたいですね」
「だからですね」
「そんなことはな」
 自分達が嫌う者達と同じになりたくない、だからだというのだ。
「するなよ」
「わかりました」
「そうしていきます」
「俺達にしても」
「仕事は全員で」
「そうすると、少なくとも俺はな」
 他の者は知らないが、というのだ。
「そうしていくぞ」
「そして終わればですね」
「休みますね」
「次の仕事の時まで」
「そうするぞ」
 自分の下にいる給養員達に話した。
「だからな」
「はい、早いこと終わらせますね」
「それも確実に」
「そしてやることやって」
「後は休みますね」
「給養は調理が仕事だ」
 艦内のそれがというのだ。
「逆に言えばそれが終わったらな」
「その時はですね」
「もう自由」
「だからですね」
「やることやって休むぞ」
 こう言ってだった。
 曹長は自ら率先して清掃にあたりそうしてだった。 
 それが終わると給養員達は居住区に戻った、そのうえで休憩に入ったがここで若い兵士が彼に言ってきた。
「ちょっといいですか?」
「どうした?」
「ええ、俺達は普通に皆同じもの食ってますね」
 艦内の者達はというのだ。
「そうですね」
「ああ、それはな」
 曹長も答えた。
「提督でも兵隊でもな」
「同じ厨房で作ったもので」
「同じ食材と調味料使ったな」
「同じ料理食ってますね」
「そうしてるぜ」
 実際にとだ、曹長も答えた。
「俺達は」
「そうですよね」
「ああ、しかしな」
「それでもですね」
「エウロパ軍は違ってな」
「士官はですね」
「兵隊の食う飯じゃないんだよ」
「連中は別の厨房で作ったですね」
「別のもの食っててな」
 それでというのだ。
「それがまたご馳走なんだよ」
「士官は貴族でしたね」
「だから貴族はだよ」
 まさにとだ、曹長は給養員になりたての兵士一等兵の階級を付けている黒髪と黒い目のコーカロイドの彼に話した。尚曹長は黒人である。 
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